誰でもできるわが家の耐震診断


東日本大震災から5年となります。
災害に遭われた全ての皆様にお見舞い申し上げます。


地震災害に対する備えは万全でしょうか?
特に家の耐震化は災害から命を守る重要な役目を担っています。
耐震化に当たって最初に行うことは、耐震診断です。


誰でもできるわが家の耐震診断001


専門家に相談する前にお勧めなのが『誰でもできるわが家の耐震診断』です。
インターネット上で手軽に診断できます。

10の問診に答え、評点の合計で判定を確認します。

評点が10点・・・「ひとまず安心ですが、念のために専門家に診てもらいましょう」

評点が8~9点・・・「専門家に診てもらいましょう」

評点が7点以下・・・「心配ですので、早めに専門家に診てもらいましょう」


敷地の地盤を知ることも重要です。

地盤調査には経済的負担が大きいので、まず目視により確認しましょう。

20160304-調査1


建物の基礎立ち上がりを見て、写真のように大きなクラックが入っていれば、
地盤が沈下していることが考えられます。


20160304-調査3


住宅内部では戸と枠の隙間が上下で違っている場合は、家が傾いている恐れがあります。


20160304-調査2


壁に亀裂がある場合など、建物が不同沈下していることが考えられます。


20160304-調査4


実際の調査には専用の道具を使い家の傾きなどを計測します。


誰でもできるわが家の耐震診断002


愛媛県内の全ての市町村で耐震診断・耐震改修の補助制度があります。

4月から新年度募集が始まりますので、制度を活用していただき、災害から

命を守る備えをお願いします。

【古民家】屋根上の鬼瓦の役割とは?守り神?ただの飾り?【動画あり】


自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。 




私が住んでいる妻の実家、今回は、太宰家
の【屋根の上にある鬼瓦(おにがわら)

紹介です。




鬼瓦とは、屋根のもっとも高いところの端に
つける鬼の顔をかたどった瓦のことですが、
鬼の顔がなくても鬼瓦と言います。




雨仕舞い(あめじまい)の役割を兼ねた装飾
瓦なので、種類は多く、鬼の形だけでなく、
シンプルな形のものから、蓮の花や福の神
がついたものなどがあります。





20090727onigawara




この鬼瓦(おにがわら)が載っているのは、
2つある蔵のうち、西の蔵です。いかつい
顔をしていますが、よく見るとユニークな
顔つきです。




鬼瓦といえば、オードリー春日さんのネタ
が思い出されます・・・・我が家の鬼瓦の方
が、春日さんの鬼瓦の顔よりかわいく思え
ますね・・・('艸`*) 



鬼瓦西の蔵
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―   



上の配置図を見ますと、太宰家には、東と
西と2つ蔵があります。敷地内にバランス
よく配置されている蔵は、現代でいう納戸
のような役割でした。




日本家屋は、
開口部(かいこうぶ)が多く、
建具(たてぐ)で仕切られています。壁が
少ないため、部屋にはあまり家具は置かず、
蔵に保管して、季節ごとに取り出していた
ようです。




太宰家では、東の蔵には米や陶器類。 
西の蔵には衣類や布団類や季節で替える
簾(すだれ)衝立(ついたて)などが保管
されていました。




そのほとんどは、日常使っていたような
もので、今では多くがガラクタになって
しまっています。




さて、話を鬼瓦に戻します。



20090727onigawara2




よく見ると東面と西面では鬼の表情が違い
ます。




最初の画像、東面の鬼は比較的普通の表情
でしたが、すぐ上の画像、西面の鬼は口を
大きく開けて相手を威嚇する様な怖い顔です。




日本古来の
陰陽道(おんみょうどう)の思想
から、違いがきているのでしょうか。




鬼瓦が造られる様になったのは奈良時代
以降と言われています。




邪を払う意味を込めた中国古代の文様が
変化して、鬼瓦になったようです。鬼の頭の
上に見える
巴紋(ともえもん)の部分は鳥衾
(とりぶすま)
といいます。巴紋は水を意味
する文様なので、火除け(ひよけ)の意味が
込められています。




この部分は地域によっても呼び方が異なり、
カラス止まり、カラス休みなどとも呼ばれる
そうです。




愛媛県武道館の玄関正面の中庭には、
愛媛県の菊間町(きくまちょう)で造られた
巨大な鬼瓦が展示されてあります。




最近は見られなくなった鬼瓦ですが、鬼師
(おにし)
の技を残す上でも、伝統の継承を
願っていきたいものです。







我が家の屋根を修理した時に、残念ながら
傷みが激しい鬼瓦を最近のものと交換し、
空いた場所に放置することになりました。


 

こういった装飾瓦一つとっても、日本建築は
本当に奥深い芸術性を感じます。




この冬、私達が住んでいる地方に雪が3回
降りました。南国と思われている愛媛県です
が、実は、下関の方からの冷たい大気が
四国山脈にぶち当たり、雪が降る時があり
ます。雪が降ると、屋根に積もった雪が、
溶け落ちる時に樋(とい)が傷みやすく
なったりします。




また、当然のことながら、屋根の瓦の劣化に
より雨漏りにつながることもあります。雨漏
りすると、木材の腐食からシロアリの発生
につながり、ひいては家全体の耐久性も
失ってしまうので、見過ごせない事例です。




たかが雨漏りと考えていると、家の耐久性や
資産価値など大きな損失につながります。
ご心配な場合は、お早めにご相談下さい。




リフォームや修繕などのご相談や見積もりは
無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



このバナーをクリックして頂くと、事務所
サイトに飛びますので、よろしくお願い
します!
       ↓  ↓  ↓

ブログバナー2



メールでお問い合わせされる方は、こちらへ
   ↓  ↓  ↓
メールフォーマー





今日も最後まで読んで頂きありがとう
ございました。


 


【建築ワード説明】


雨仕舞い(あめじまい)
建築物内部に雨水が浸入しないような
仕組みを施す総称。


開口部(かいこうぶ)
建築物で屋根、壁、床、天井の一部が
開放された部分をいう。採光、通風、
換気、人や物の出入りなどの目的で
設ける。


建具(たてぐ)
戸、障子、襖、窓など、開閉して空間を
仕切るものの総称。
 

簾(すだれ)
竹やよしなどを編んで、部屋の仕切り
あるいは日よけのために吊り下げて
用いるもの。


衝立(ついたて)
日本の家屋(伝統的建築)で用い
られる、目隠しや間仕切り家具のこと。


陰陽道(おんみょうどう)
古代中国の陰陽(いんよう)五行
(ごぎょう)説にもとづいて、自然現象を
説明し人間の吉凶を判断する学問の
こと。


巴紋(ともえもん)
コンマあるいは勾玉のような形をした
日本の伝統的な文様の一つで、巴を
使った紋の総称。


鳥衾(とりぶすま)
鬼瓦の上に、反って長く突き出した
円筒状の瓦のこと。


愛媛県武道館
愛媛県武道館は、愛媛県松山市の
松山中央公園内にある武道館。
財団法人愛媛県スポーツ振興事業団
が運営している。
愛媛県産の木材、菊間瓦、大島石、
砥部焼などを利用して建設され、
日本武道館や東京武道館と並ぶ日本
最大級規模の施設。


菊間町(きくまちょう)
菊間町は、かつて愛媛県の東予地方に
あった町。2005年1月、今治市と菊間町
を含む越智郡12町村での新設合併に
より、新:今治市の一部となった。
古くから菊間瓦の生産で有名。


鬼師(おにし) 
鬼瓦を手作業で作る職人のこと。


 

【古民家】耐震補強は必要なの?不安定そうに見える建物基礎部分からの検証とは!【動画あり】



自宅長屋門(ながやもん)
で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。 




私が住んでいる妻の実家、今回は、
太宰家の基礎部分】の紹介です。




古民家に住んでみて改めて、日本建築の魅力を
しみじみ感じています。




現代の住宅において、忘れ去られたこれら
日本建築のよさを、私のつくる建築に遺して
いきたいと思い、お手本にしています。




20110328ishibatate




古民家再生・リフォームする時に、心配なことの一つが
【耐震補強】
の問題です。




伝統工法による建築の足元は、石の上に
柱が立つ
石場立て(いしばたて)といわれる構造になっています。
太宰家の主屋の柱も石場立てです。



ishibatate0226
                                         
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―



現在では、コンクリート基礎を立ち上げた上に土台を
敷いて家を建てますが、コンクリートのなかった時代
には、最初の画像のように
礎石(そせき)の上に
柱を立て、
足固め(あしがため)で柱同士をつないで、
建てるのが普通でした。




古民家や社寺の修理や再生においては、石場立てを
きちんと扱えるかどうかで、その後の建物の寿命が
大きく左右されます。




石場立ての家では、建物の足元の通気性がいいので、
そもそも
防腐性・防蟻性が格段に違います。
そして、万が一に床下で何かが起きていたとしても、
発見がしやすいのです。




110328ishibadate2



また、柱がそれぞれ独立基礎(どくりつきそ)の上に
載っているだけなので、土台を敷いてある場合と違って、
その柱の足元だけを直すといったようなことも可能です。




このメンテナンス性のよさが、石場立ての特徴であり、
日本の古民家が長寿命であることに大きく貢献して
います。




建物と地面が直結していない=地震力を低減させる 
ということを、江戸時代の建築の棟梁や職人達は、
すでに知っていたのです。




一見、耐震的には問題ありそうに見えますが、
木の持つ本来の粘りの性質が、柳のように柔軟に
機能している造りなのです。









ただ、未曾有の大災害ともなった阪神、東日本大震災級の
巨大地震が起こり、縦揺れした場合は、礎石(そせき)と柱が
離れて、家が浮き上がり、柱が礎石からずれた場合は、
バランスを崩して倒壊したり、傾く恐れがあります。




また、地盤に問題がある場合もありますので、古民家再生・
リフォームする際には、現地調査が欠かせません!




古民家を活かした設計を考えた時、耐震性について、あらゆる
可能性で人の命を守る家づくりを考えていかねばならないと
思っています。




今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。





私の設計事務所公式サイト『與那原浩建築設計室』はこちらです。
お気軽にお問い合わせ下さい。




【建築ワード説明】


石場立て(いしばたて)
建築の基礎部分で、石やコンクリートの基礎の上に
直接柱を載せる方式のこと。


礎石(そせき)
礎石(そせき)とは、建造物の土台(礎)となって、
などを支える石のこと。


足固め(あしがため)
土台を使わない建て方で、柱の脚部を補強するために、
柱相互を水平につなぐ部材のこと。


独立基礎(どくりつきそ)
建物の下全体に一体化した基礎ではなく、それぞれの
柱下に個別的に設けられる基礎のこと。

 

【リフォーム】設計する時、参考にしたい本!《建築知識3月号》 その内容とは!?

20160227-建築知識


建築知識3月号の特集は、


『本当は秘密にしたい 
リフォームのベストレシピ125+DVDビデオ』




戸建住宅とマンションのリフォームについて、
Q&A形式で構成されています。



法的な問題から収納テクニックなど、なるほど!と
思わせるような・・・



設計者のかゆいところに手が届くほどの
内容が書かれています!



リフォームのご相談をお客様から頂いて、
一番多いのは、リフォームか建て替えか、
どちらにしたら良いかという事です。



その答えは、一概には言えません。



予算や工期の条件で、
なるべく安価で早期に工事を済ませたいと
考えていても・・・



耐久性や耐震性などの問題がある場合は、
工事費や工期など予想以上に費用がかさむ場合が
あります。



また、建築基準法の規制により、
建て替えが難しい場合もあります。



お客様のご要望を質問リストでお聞きし、
現地を確認したうえで、リフォームか建て替えかを
ご提案するようにしています。




引き戸取替え

20160225-戸田邸

竣工から10年となる宇和島市T様邸。

ガレージの勝手口引き戸の取替え工事に着手しました。

取替えのきっかけは、カギに有ります。

T様邸の玄関は外階段を昇って2階にあり、電気錠のシステムを採用してます。

一方、ガレージの勝手口戸は通常のシリンダーキーでの施錠です。

ガレージは電動シャッターで開閉するようになっていますが、通常はオープンにしているそうです。

その為、家族が頻繁に使う勝手口の施錠に、T様はストレスを感じていたとの事。

今回、T様の要望で電気錠システムの玄関引き戸に取り換えることになりました。

提案させていただいたのは、YKKap社のコンコードシリーズ。

サイズがオーダーメード出来たので、既設壁の補修も最小限で済みます。

ストレスなく住み続けられるよう、住み手の皆様に寄り添っていければと、願っています。

【古民家】小屋組に上がってみた!幾何学模様のように見えるリズミカルな梁の交差とは?【画像つき】



自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士 與那原浩です。 



今回も、
私が住んでいる妻の実家 太宰家の土間空間の小屋組(こやぐみ)
の続きを紹介します。



20090909koyakumi2



小屋組(こやぐみ)にハシゴをかけて、登ってみることにしました。
吹抜けの根太天井(ねだてんじょう)から小屋組を見ています。



手前に見えるのが大黒柱(だいこくばしら)の頭部です。間近で
見ると、その迫力に圧倒されます。



小屋組に外部からの光が差し込んでいて、陰影のコントラストが
美しいです。



koyagumi

            ―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―


20090909koyakumi22



こうやって見ると、小屋束(こやづか)
をつないでいる小屋貫(こやぬき)
がリズミカルに交差しています。



小屋梁’(こやばり)の緩やかな曲線と小屋貫(こやぬき)の直線が、
複雑な幾何学模様のように見えて、ため息が出るほど美しいです。



太宰家の大きな屋根を支えるためには、こんなにたくさんの梁や柱で、
小屋組を構成しないといけないということに、あらためて、200年以上昔の
造り手達の大変さに思いをはせています。


20090909koyakumi23


クレーンもない時代に、これだけの小屋組を組む上げることが、
どんなに大変だったか・・・



静寂の中で耳を澄ますと・・・



建築中の当時の職人達が声を掛け合いながら、ひとつひとつ木材を
引き上げている様子が目に浮かんでくるようです。



驚いたことに、江戸末期に造られたこの小屋組は、今もしっかりと
バランスを保っていて、大きな屋根を支えています。



1本でも欠けたらバランスが崩れてしまう小屋組ですが、
ち密な計算で組まれているのか、完璧なバランスで配置されています。



今は、
CAD(キャド)という便利な設計ソフトで、設計や
構造計算(こうぞうけいさん)をしている私には、当時の棟梁の
完璧な構造計算にはとうてい及びません。



090909koyagumi27



長い間、小屋組の美しさに見とれていたので、下を見おろしたら、
根太天井(ねだてんじょう)から土間まで結構な高さがあることに
気がつきました。



ハシゴをかけて上ったので、カメラと三脚を抱えて降りなければ
ならず・・・・今になって足がすくんできました。
 


小屋組の配置を間近で見て、しみじみ、自分の造る家が、太宰家の
ように長い間住み継いでいかれるような堅牢さであらねばならぬと、
気持ちを新たにしました。



今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。



【建築ワード説明】


根太天井(ねだてんじょう)
民家の天井形式の一つ。2階の床組を1階の天井として現わしたもので、
根太を渡して板を張った形式のこと。



大黒柱(だいこくばしら)
古い民家などで、家の中央に立つひときわ太い柱

 
小屋束(こやづか)
小屋組を構成する部材で、梁の上に垂直に立ち、母屋と棟木を支える柱の総称。


小屋貫(こやぬき)
小屋組を構成する部材で、柱などの垂直材間に通す水平材。


CAD(キャド)
コンピューターを用いて設計することで、設計する場合は建築設計用の
ソフトを使う。 
computer-aided designの略。

【古民家】小屋組(こやぐみ)の紹介!誰もが魅了される梁の土間空間とは?【画像・動画つき】


自宅長屋門で、建築設計事務所を営んでいる一級建築士 與那原浩です。 
私が住んでいる妻の実家 太宰家の土間空間の小屋組(こやぐみ)の紹介です。



20090908koyakumi1



koyagumi
            ―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―     



我が家の玄関を入ると、三和土の土間の上部に小屋組架構(かこう)
広がっています。



ダイナミックに黒く太い梁が交差する様は、見る者に驚きを与え、その美しい
架構にしばし魅了されます。



20090908koyakumi12




太宰家の土間上に広がる小屋組の架構です。
梁間(はりま)が10m、桁行が6.5mの土間空間を支えている小屋組です。









この小屋組の特徴は、丸太梁(まるたばり)を太い状態のまま使わずに
両端を切り落とすタイコにしていることです。




そのことで、下から見上げた時に空間がひろがり、繊細な架構として
写ります。この様な納め方にしている例は、南予(なんよ)ではあまり
見られません。



古民家研究の第一人者であられる犬伏教授の著『民家と人間の物語』
よれば、太宰家の梁組は『飛騨の匠によるものかと思うほど洗練された梁組』
とあります。




構造的力強さと架構の美しさが共存している空間です。




200年以上昔の江戸末期の時代、重機もないのにどうやって、この大きな梁
を運んできたのでしょうか?



ダイナミックな小屋組を眺めながら、この家を建築している様子を想像して、
その時代に思いをはせてみると、いかに多くの職人達が、太宰家建築に
関わったか・・・
そんなことを考えるのが、とても楽しく思えます。




今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。



【建築ワード説明】
 
小屋組(こやぐみ)
住宅などの建築物の屋根部分の骨組のことで、トラスともいう。


架構(かこう)
骨組みとなる部材を結合して組み立てた構造物のこと。


丸太梁(まるたばり)
自然のままの製材されていない木材のこと。


タイコ
丸太材の二面を平行に切り落とし、断面が太鼓形になった木材のこと。


南予(なんよ)
愛媛県の南予とは、宇和島市・八幡浜市・大洲市・西予市・喜多郡内子町・
西宇和郡伊方町・北宇和郡松野町・北宇和郡鬼北町・南宇和郡愛南町の
4市5町からなる愛媛県の南西地域のこと。


犬伏教授
愛媛県在住の古民家研究者 元
松山東雲女子短期大学特任教授
愛媛の民家研究会「茅舎」代表として民家・古建築の調査に従事、松山市の
庚申庵や野村町の土居家などの修復にも当たった。



鬼北町庁舎再生見学会

20160221-鬼北町庁舎1


21日、再生工事が完了した鬼北町庁舎の完成見学会に参加してきました。
今回の工事で増築された打放しコンクリートのエントランスです。


20160221-鬼北町庁舎2


鬼北町庁舎は1955年(昭和33年)12月に旧・広見町庁舎として完成。
設計監理は㈱レーモンド建築設計事務所。施工は㈱清水建設。


レーモンド事務所に設計監理が委託された経緯は、当時の社長が、
三島村小松出身の中川軌太郎氏に由来するとの事。


20160221-鬼北町庁舎3

   ↑   ↑
再生工事完了後の完成写真パネル。


20160221-鬼北町庁舎4


ロビーには建設当時の写真パネルも展示されていました。


20160221-鬼北町庁舎7


鬼北町庁舎最大の特徴であるHPシェル構造の屋根と明取り窓です。
7.4m×7.4mの無柱空間を形造っています。


20160221-鬼北町庁舎8


再生後。窓は色ガラスではなく暑さ3㎜のアクリル板を使用。


20160221-鬼北町庁舎9


議事堂の内部空間。
アクリル版のガラスから入る光が美しく、明るく蘇りました。


空間の斬新さは全く失われてはいません。


20160221-鬼北町庁舎11


東京工業大学名誉教授 藤岡洋保先生が記念講演を行い、庁舎の魅力を
語って下さいました。


「歴史的建造物の保存活用をするにあたり大切なのは、建物の価値を発見すること」

先生の視点に感銘しました。


20160221-鬼北町庁舎13


中庭からの外観です。スチールサッシは特注で新設され、色も建設当時の色に
復元されました。美しいですね。


20160221-鬼北町庁舎12


階段の手すり。
無垢の丸太を曲木加工で取り付けられています。


20160221-鬼北町庁舎10


庁舎の魅力を語って下さった、建築家・和田耕一先生。
八幡浜・日土小学校の再生工事の設計監理を担当されております。


今回の再生見学会で、今まで気が付かなかった庁舎の魅力を、
見学会に参加された多くの方が発見したことでしょう。


これからも、庁舎がさらに多くの町民の皆様に愛され使われ続けられて
いくことを望みます。

 

【古民家】離れ玄関の紹介!古民家でも『バリアフリー』ってできるの?沓脱石の高さをカバーするには?【動画つき】



自宅
長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。





私が住んでいる妻の実家、今回は、太宰家
の離れ玄関【沓脱石】(くつぬぎいし)の
紹介です。





20091028kutsunugiishi




離れの玄関の引き戸を開けると、見えている
のが、沓脱石(くつぬぎいし)と言われる石
です。








kurumayose
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




玄関土間から畳床まで700㎜ありますので、
上にあがるには高さ的に必要になります。



台座石(だいざいし)の高さが60㎜あり、
その上に納められています。
沓脱石の上部にある上り框(あがりかまち)
はケヤキ材です。105×258(㎜)の太さです。




大きさは、幅1,150×奥行305×高さ270(㎜)
です。石の種類は花崗岩(かこうがん)
思われます。




全体は小叩き(こたたき)ハツリ仕上げ
で、角は15RのゆるやかなR面となって
おり、目地切り(めじぎり)が施されています。




20091028kutsunugiishi3



R面の計測は中村好文氏考案の定規
アールゲージにて計測しました。




20091028kutsunugiishi4



畳床からだと、このように見えます。




床下の湿気対策で高床になっていますが、
この高さだともう一段欲しいところです。
残念ながらバリアフリーとは言えないです
ね。




しかし、手すりを設けたりして昇降しやすい
工夫を施せば、バリアを解消できます。
古民家でもバリアフリーの再生は必要だと
考えています。




手すり・段差解消・スロープをつけるなど、
高齢者の方がお住まいの住宅を改修する
場合には、補助金が活用できます。




リフォームや修繕などのご相談や見積もり
は無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



このバナーをクリックして頂くと、事務所
サイトに飛びますので、よろしくお願い
します!
       ↓  ↓  ↓

ブログバナー2



メールでお問い合わせされる方は、こちらへ
   ↓  ↓  ↓
メールフォーマー




今日も最後まで読んで頂きありがとう
ございました。


 


【建築ワード説明】
 

長屋門(ながやもん)
門に住まいが合体した建物を長屋門とよび、
武家屋敷や裕福な農家の門として造られた
ところ。長屋門では、門の両側部分は使用
人などの住居・納屋・作業所などに利用
されていた。

 
沓脱石(くつぬぎいし)
土間から床までの高さがあり、1段で上がる
のには高すぎるとき、途中に配置される石
のこと。


上り框(あがりかまち)
主に玄関の上がり口で履物を置く土間の
部分と。廊下や玄関ホール等の床との
段差部に水平に渡した横木のこと。


花崗岩(かこうがん)
火成岩の一種で、御影石(みかげいし)と
呼ばれる。ありふれた石材で、硬いので
建築材料として用いられる。研磨すること
によって光沢が出る。


小叩き(こたたき)
石の表面仕上げの方法で、ビシャン仕上げ
(特殊なハンマーで叩いて表面を凸凹に
仕上げること)を施した上に、石ノミで
もって細密な平行線をきざんだ仕上げの
こと。


ハツリ仕上げ
表面をタガネでたたいて薄く削り取り、
ざらっとした仕上げにすること。


R面(あーるめん)
Round の頭文字をとった表現で、曲面の
ことをいう。ここでは、沓脱石の角の尖った
ところを丸く面取りすること。


目地切り(めじぎり)
少し間隔を空けた部材間の隙間・継ぎ目の
部分のこと。

 
中村好文(なかむらよしふみ)
千葉県出身。武蔵野美術大学建築学科
卒業の建築家。1981年に独立して設計
事務所を設立し、住宅建築を中心に活動、
家具製作も行っている。
様々な建物を紹介するエッセイストとしても
知られており、建築家としての活動のみ
ならず、執筆活動も20年にわたり継続的に
行っている。


アールゲージ
モノの角の丸さを半径で示すR(アール)
は、【radius】すなわち「半径」のことを
いい、建築部位の角の丸さを正確に測る時
に使用する定規のこと。


畳床(たたみどこ)
畳を敷いた床の間のこと。

 

吉田町おねり記事

20160217-吉田町おねり1
2月16日の当ブログで「吉田町おねり」について紹介させていただきましたが、今朝の愛媛新聞1面に、おねり絵巻「利根本」が初公開されたとの記事が掲載されていました。
そのような絵巻が存在していたことも知らず、恥ずかしいかぎりですが、調査対象の水引幕と同様の絵が絵巻に書かれていたことで、国の文化財指定に向けた取り組みに弾みがついたことは嬉しいかぎりです。
『與那原浩建築設計室』    公式サイトへ
ブログバナー


livedoor プロフィール
最新コメント
月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
ランキングに参加しています!
ブログ村ランキング
  • ライブドアブログ