自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。





私が住んでいる妻の実家、今回は、太宰家
の玄関・土間の紹介です。 動画でも視聴
できますので、興味のある方はご覧下さい。

 

20090702tataki




zumen
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




太宰家の玄関戸を引き開けると三和土
(たたき)の土間空間が広がっています。
広さは60㎡(約18坪)あり、標準的な
マンションの大きさ(2LDK)と同じくらい
の空間があります。








苔むした三和土が、逆光で漆黒の闇に浮か
びあがり、幻想的な雰囲気を醸し出して、
美しい薄緑色の空間を作りあげています。




湿気を帯びるのは、家のためには本来よく
ないことです。梁や柱のカビやシロアリの
原因になる恐れもあります。




湿気があがらないようにコンクリートにした
らと忠告して下さる方もいます。
しかし、私達家族は、この美しい薄緑色の
三和土を壊したくないと思っています。




三和土は、風化した花こう岩や安山岩から
できた土に消石灰・苦汁(にがり)・水を
加えて練り、硬化させて作ります。
土・石灰・苦汁の3種類の素材を絡ませて
つくることから、三和土と言うそうです。




この三和土の表面のデコボコは、長い年月
を経て、下駄を履いていたことで窪んだ
凹みと聞いています。長い歴史が生んだ、
この美しい土間を出来る限り後世に残して
いきたいと思っています。




太宰家の土間の上部には、茅葺き
(かやぶき)
の大きな屋根を支える
丸太梁(まるたばり)小屋組(こやぐみ)
が架かっています。




この土間の空間にいると、男衆(おとこし)
女衆(おなごし)が働いていた賑やかな
庄屋時代にタイムスリップした様な錯覚に
陥ることがあります。




先人の様々な知恵が集結した太宰家に、
沖縄生まれの私が来た意味を考えて
しまいます。




私には、日本全国で失われつつある
古民家を一件でも多く残して行く使命が
あるのではないか・・・と。




自分の天命を自覚しつつ、今日もまた仕事
に励んでいこうと強く思いました。




今日も最後まで読んで頂き、ありがとう
ございました。




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【建築ワード説明】


茅葺き(かやぶき)
茅とは屋根を葺く草の総称のことで、茅と
いう植物のことではない。茅の材料には、
すすきの他に葦(ヨシ)やイネ科の多年草
が使われる。


丸太梁(まるたばり)
丸太梁は、建物の外周から内側に向けて
入れる大きな部材のことで、丸太のそりを
利用して梁としたものをいい、天然の
松丸太がよく使われてる。


小屋組み
屋根になる骨組みのこと。


男衆(おとこし)
男性の奉公人・使用人


女衆(おなごし)
女性の奉公人・使用人