自宅長屋門で、建築設計事務所を営んでいる一級建築士 與那原浩です。 
私が住んでいる妻の実家 太宰家の土間空間の小屋組(こやぐみ)の紹介です。



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koyagumi
            ―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―     



我が家の玄関を入ると、三和土の土間の上部に小屋組架構(かこう)
広がっています。



ダイナミックに黒く太い梁が交差する様は、見る者に驚きを与え、その美しい
架構にしばし魅了されます。



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太宰家の土間上に広がる小屋組の架構です。
梁間(はりま)が10m、桁行が6.5mの土間空間を支えている小屋組です。









この小屋組の特徴は、丸太梁(まるたばり)を太い状態のまま使わずに
両端を切り落とすタイコにしていることです。




そのことで、下から見上げた時に空間がひろがり、繊細な架構として
写ります。この様な納め方にしている例は、南予(なんよ)ではあまり
見られません。



古民家研究の第一人者であられる犬伏教授の著『民家と人間の物語』
よれば、太宰家の梁組は『飛騨の匠によるものかと思うほど洗練された梁組』
とあります。




構造的力強さと架構の美しさが共存している空間です。




200年以上昔の江戸末期の時代、重機もないのにどうやって、この大きな梁
を運んできたのでしょうか?



ダイナミックな小屋組を眺めながら、この家を建築している様子を想像して、
その時代に思いをはせてみると、いかに多くの職人達が、太宰家建築に
関わったか・・・
そんなことを考えるのが、とても楽しく思えます。




今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。



【建築ワード説明】
 
小屋組(こやぐみ)
住宅などの建築物の屋根部分の骨組のことで、トラスともいう。


架構(かこう)
骨組みとなる部材を結合して組み立てた構造物のこと。


丸太梁(まるたばり)
自然のままの製材されていない木材のこと。


タイコ
丸太材の二面を平行に切り落とし、断面が太鼓形になった木材のこと。


南予(なんよ)
愛媛県の南予とは、宇和島市・八幡浜市・大洲市・西予市・喜多郡内子町・
西宇和郡伊方町・北宇和郡松野町・北宇和郡鬼北町・南宇和郡愛南町の
4市5町からなる愛媛県の南西地域のこと。


犬伏教授
愛媛県在住の古民家研究者 元
松山東雲女子短期大学特任教授
愛媛の民家研究会「茅舎」代表として民家・古建築の調査に従事、松山市の
庚申庵や野村町の土居家などの修復にも当たった。