自宅長屋門(ながやもん)
で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。 




私が住んでいる妻の実家、今回は、
太宰家の基礎部分】の紹介です。




古民家に住んでみて改めて、日本建築の魅力を
しみじみ感じています。




現代の住宅において、忘れ去られたこれら
日本建築のよさを、私のつくる建築に遺して
いきたいと思い、お手本にしています。




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古民家再生・リフォームする時に、心配なことの一つが
【耐震補強】
の問題です。




伝統工法による建築の足元は、石の上に
柱が立つ
石場立て(いしばたて)といわれる構造になっています。
太宰家の主屋の柱も石場立てです。



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―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―



現在では、コンクリート基礎を立ち上げた上に土台を
敷いて家を建てますが、コンクリートのなかった時代
には、最初の画像のように
礎石(そせき)の上に
柱を立て、
足固め(あしがため)で柱同士をつないで、
建てるのが普通でした。




古民家や社寺の修理や再生においては、石場立てを
きちんと扱えるかどうかで、その後の建物の寿命が
大きく左右されます。




石場立ての家では、建物の足元の通気性がいいので、
そもそも
防腐性・防蟻性が格段に違います。
そして、万が一に床下で何かが起きていたとしても、
発見がしやすいのです。




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また、柱がそれぞれ独立基礎(どくりつきそ)の上に
載っているだけなので、土台を敷いてある場合と違って、
その柱の足元だけを直すといったようなことも可能です。




このメンテナンス性のよさが、石場立ての特徴であり、
日本の古民家が長寿命であることに大きく貢献して
います。




建物と地面が直結していない=地震力を低減させる 
ということを、江戸時代の建築の棟梁や職人達は、
すでに知っていたのです。




一見、耐震的には問題ありそうに見えますが、
木の持つ本来の粘りの性質が、柳のように柔軟に
機能している造りなのです。









ただ、未曾有の大災害ともなった阪神、東日本大震災級の
巨大地震が起こり、縦揺れした場合は、礎石(そせき)と柱が
離れて、家が浮き上がり、柱が礎石からずれた場合は、
バランスを崩して倒壊したり、傾く恐れがあります。




また、地盤に問題がある場合もありますので、古民家再生・
リフォームする際には、現地調査が欠かせません!




古民家を活かした設計を考えた時、耐震性について、あらゆる
可能性で人の命を守る家づくりを考えていかねばならないと
思っています。




今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。





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お気軽にお問い合わせ下さい。




【建築ワード説明】


石場立て(いしばたて)
建築の基礎部分で、石やコンクリートの基礎の上に
直接柱を載せる方式のこと。


礎石(そせき)
礎石(そせき)とは、建造物の土台(礎)となって、
などを支える石のこと。


足固め(あしがため)
土台を使わない建て方で、柱の脚部を補強するために、
柱相互を水平につなぐ部材のこと。


独立基礎(どくりつきそ)
建物の下全体に一体化した基礎ではなく、それぞれの
柱下に個別的に設けられる基礎のこと。