古民家のこと

【古民家】アンティークな結霜ガラスは古民家のどこに使われてるの?【動画あり】


自宅
長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、太宰家の離れ
控えの間の建具をご紹介します。




アンティークガラスが古民家に?と不思議
思われる方がいるかもしれませんが・・・




現在では希少性とセンスの高さで、人気の
あるレトロな雰囲気のアンティークガラス。
我が家では、離れの建具に使われています。




結霜ガラス4




こちらが建具のガラスです。地模様がつい
ていますが、あまり見たことがない模様
ですね。





それもそのはず、今ではほとんど生産され
ていない大変貴重なガラスで、現在のように
大量生産には向かない工法のため、大正~
昭和初期頃しか生産されてない超レアもの
なのです。




原本★
出展:犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】




曇りガラスのように見えますが、実は、
『結霜ガラス』(けっそうがらす)と言い
ます。現在のガラスのように型を使って
製造されたものではありません。




動物の皮革などから採られる強力な

(にかわ)と呼ばれる
糊を、粗めに加工した
板ガラスの表面に塗り、不純物を取り除い
てゼラチンとなって・・・




膠が固形化し、乾燥収縮することで、ガラス
の表面に霜(しも)の結晶のような美しい
模様を作り出すことができます。




膠の量や養生時間、作業工程や周りの環境
によって、模様の出方も微妙に変化してしま
うため、安定した綺麗な模様を作るには高い
技術と長い経験が必要になります。




そういった手作業の行程で作りあげる製品
なので、現在のような大量生産する工業化
に合わず、やむを得ず生産中止となった
ようです。




結霜ガラス1
我が家の離れ玄関です。




結霜ガラスは、離れ玄関横の控えの間、
中庭に面した建具で使われています。




結霜ガラス2
離れ控えの間です。




離れ玄関からあがった、茶室である奥の
客間に入るための控え的な部屋で、広さ
は2畳しかありません。




そんな控えの間の建具に、結霜ガラスが
使われているので、当時の我が家は財力
があったのだと思います。




すりガラスよりモザイク性は低いですが、
光が地模様に透けて、とても柔らかな
優しい雰囲気になります。




結霜ガラス3
逆光の建具




外の格子と合わさって、いい雰囲気を醸し
出しています。




小説家 谷崎潤一郎は、著書の『陰翳礼讃』
(いんえいらいさん)の中で、『日本では、
むしろ陰翳を認め、それを利用することが
日本古来の芸術の特徴である』と主張して
います。





陰翳を作る格子も結霜ガラスも日本文化
ならではの産物なのですね。




でも、結霜ガラスは、建具よりも食器棚や
家具に多用されています。




16001p01
出展:http://www.risingpreneur.com/index.cgi?id=16001




アンティーク家具と相性のよいレトロガラス
が、家具としてもオブジェとしても、とても
いい存在感を醸し出しています。




結霜ガラスは、工業製品ではなく、手作り
なので、割れてしまったら2度と同じものを
入れ替えることができません。
大切に使用していきたいと思います。




動画でもご紹介しています。
 ↓ ↓






古民家のことでお困りのことがありました
ら、古民家建築の専門家の私に、お気軽
にご相談下さい。




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【古民家】日本家屋の深い軒の役割が神すぎる!【動画あり】


自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、太宰家の
長屋門の軒を紹介します。




20090622noki
長屋門の軒下




原本★
出展:犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】




梅雨時期は、長い間激しい雨が降り、湿度
も高い日が続きました。




伝統的な日本家屋の特徴の一つとして、
深い軒のデザインがあります。高温多湿な
気候の中で快適さを求めると、家は開放的
なつくりになっていきます。




そうすると、雨風などの自然から建物を守る
ため、軒を深くする必然性があった
のだと
思います。




また、日本人独特の自然との一体感を求め
るという文化的な側面も考えられます。




長屋門の軒を見ると、外壁芯より軒先瓦
(のきさきがわら)
まで、1.18mあります。
これだけ軒が深いと少々の雨は外壁にかか
ることはありません。




しかし、これだけ軒が深いうえ瓦が葺かれて
いるのに、それを支えている垂木(たるき)
が小さいと思いませんか。




実は、この軒は二重構造になっているのです
が、お分かりになりますか?

20090622noki2
長屋門中庭から撮影




正面から見ると、屋根の勾配と軒の勾配の
違いがよくわかります。

20090622noki3




軒を深くすると軒先にかかる荷重が増える
ため、屋根を支える垂木も大きくなって
しまいます。




軒を二重にすることにより野垂木(のだる
き)
や補強材を隠すことができ、軒先の
垂れを防ぐ効果もあります。




また、屋根勾配よりも緩い勾配とすること
で、美観的にも落ち着いた雰囲気となって
いるのです。
匠の知恵と技術に感心するばかりです。




最近では、新築の家は洋風外観の家が、
とても多くなりました。間口の小さな窓を
採用している家が目立ちます。外観が洋風
になることで、軒は浅くなり、中には庇が
まったくない家もあります。




「家の作りようは、夏をむねとすべし」

いう考え方が日本にはありましたが、高温
多湿の風土から考えると、従来の日本家屋
のように、軒が深く、開口部が大きく、通気
のいい家と、輸入住宅のように必要最低限
の開口部しかない海外の住宅とは、家の
つくりやコンセプトが大きく異なります。




軒や庇が果たす重要な役割としては、少な
くとも4つの大きなメリットがあります。




①夏の日差しを防ぐこと。

ここのところ記録的な暑さが続いています
が、軒の深さが暑さ対策にも効果絶大です。
夏は太陽の位置が高いので、軒や庇に
よって、厳しい日差しを遮ることができます。




②冬の暖かい日差しを取り込むこと。

寒い冬は、太陽が低い位置を通るため、軒
や庇があっても、日差しは室内まで入り、
暖かな日射を取り込むことができます。




③雨が直接建物に降りかかるのを防ぐこと。


雨水は、建物の寿命に大きな影響を及ぼす
ことになるので、雨仕舞いはとても重要
です。外壁材と外壁材のつなぎ目、窓の
周囲、屋根の谷あたりから、雨漏りしたり、
雨水が入り込むケースがよくあります。




④壁を雨水から守ること。

雨量の多い日本では、壁に直接雨水が当た
らないように、軒や庇で雨水を遮ってきま
した。軒が浅くて、雨水がよく当たる壁は、
数年で藻が発生し、緑色の壁になってしま
います。壁を傷ませないためにも、雨水を
遮る対策が必要です。




日本家屋の深い軒は、デザイン的にも機能
的にも優れているということが分かります。
その土地の風土にあった建築様式にする
ことが、家を丈夫に長持ちさせるコツです。




最後に、動画もご覧ください。








リフォームや修繕などのご相談や見積もり
は無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



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【建築ワード説明】


軒先瓦(のきさきがわら)
軒先を葺く瓦のことで、水切りがよいように
垂れが付いている。


垂木(たるき)
垂木とは母屋に固定された屋根の骨組み
で、野地板を固定する役割のこと。


野垂木(のだるき)
化粧垂木(けしょうだるき)の上にあって、
屋根を支えている垂木で、下からは見え
ない。


宇和島や古民家の記事の内容が凄すぎる!中西賢一氏のブログ『Trip-Nomad.com』


 一級建築士 與那原浩(よなはらひろし)
妻 與那原慶子(よなはらけいこ)と申し
ます。主人が自宅で、建築設計事務所
営んでいます。




私のネットスキルの先生である中西賢一
さんが、先日宇和島を訪問され、我が家に
来られたことをブログ記事にして頂きました。




宇和島や古民家について、たっぷりと
圧倒的な情報量で書いて頂きましたので、
ご紹介させて頂きます!




uwajima-kominka002

宇和島の『古民家』建築の専門家!與那原
氏から『古民家』の魅力をふんだんに教えて
もらった!
出典:http://trip-nomad.com/trip/japan/uwajima-kominka/




中西賢一さんは、アフィリエイターであり、
オンラインネット塾『彩塾』の副塾長でも
あります。私が、彩塾に入会している
関係で、色々とご指導頂いております。




ネットに精通している中西さんに、ブログ
でこのようにご紹介頂き、感謝でいっぱい
です。




ブログ記事の中に、我が家の古民家リノ
ベーション事例が紹介されております。




熊本地震の影響で、耐震工事をご希望の
お客様が大変増えております。




古民家についての修繕やリノベーション
などのご相談や見積もりは無料ですの
で、お気軽にご相談下さい。
  



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【古民家リフォーム】古民家に住みたい人必見!意外と知らない古民家建築の種類と特徴とは?③


一級建築士 與那原浩(よなはらひろし)の
妻 與那原慶子(よなはらけいこ)と申しま
す。主人が自宅で、建築設計事務所を営ん
でいます。




先日、古民家建築についての種類と特徴
について告知しましたが、今回はその3回目
古民家リフォームです。
1回目 古民家再生
2回目 古民家リノベーション




=================


【リフォーム】

リフォームは、老朽化した建物を悪い状態
から改良することを言い、マンションや
アパートの場合は、退去後の原状回復を
意味します。

マイナスの状態から、機能を元の状態に
回復させることが多く、外装の塗り直しや
壁紙の張り替え、水周り設備の変更など
を言います。


=================



古民家リフォームでは、屋根や外壁の雨
漏りの修復、外壁塗装、段差解消、手すりの
増築、建具の修繕、トイレの改修など、通常
の中古物件リフォームと変わりません。




古民家は木造が大半なので、雨漏りで材が
濡れてしまうと、腐ったり、カビが生えた
り、白アリ被害を受けやくなります。




tenjo
雨漏りした天井
出典:http://nichijuko.info/14/



また、長い年月、風雪に耐えた屋根は、経年
劣化が激しくなっていることが予想されます
ので、屋根が傷んで、雨漏りがご心配な場合
は、深刻な影響が出る前に、早め早めの
対処が必要です。



yanerekka
屋根の経年劣化
出典:http://maxreform.jp/studyblog/1511061640.html




日本の伝統工法と言われる和風建築では、
屋根を谷に納める工法が多いので、銅板
の経年劣化による雨漏り被害が多いです。




 屋根谷
屋根谷部分の経年劣化による雨漏り
出典:http://sato.cms-lite.net/blog/2012/06/post-90.html




地震による外壁のクラック・塗壁のはがれ
なども、雨水が浸食し、家の耐久性に
問題が出てくるので、見かけたら早めの
対応が必要です。



crack
地震や地盤沈下による外壁のクラック
出展:http://stc-santec.co.jp/service/tosou.html



gaiheki2
塗壁のはがれ
出展:http://www.t-sakan.com/2015-11-30arimatu/



gaiheki1
石垣壁のはがれ





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【古民家リノベーション】古民家に住みたい人必見!意外と知らない古民家建築の種類と特徴とは?②


一級建築士 與那原浩(よなはらひろし)の
妻 與那原慶子(よなはらけいこ)と申しま
す。主人が自宅で、建築設計事務所を営ん
でいます。




先日、古民家建築についての種類と特徴
について告知しましたが、今回はその2回目
古民家リノベーションです。
1回目 古民家再生




あなたは、リノベーションといえば、どんな
イメージを持たれていますか?
同じような用語のリフォームとの違いは、
お分かりでしょうか?



===============


【リノベーション】

既存建物を大規模改修することで、性能
や価値を高めることを言います。デザイン
性の質を高めたり、住環境を現代的な
スタイルにしたり、間取りや内外装を変更
したりします。



【リフォーム】


リフォームは、老朽化した建物を悪い状態
から改良することを言い、マンションや
アパートの場合は、退去後の原状回復を
意味します。
マイナスの状態から、機能を元の状態に
回復させることが多く、外装の塗り直しや
壁紙の張り替え、水周り設備の変更など
を言います。


===============


リノベーションとリフォームの違いがお分か
り頂けたでしょうか?似て非なるものと
言いますが、リノベーションとリフォームは
全く違う意味になります。




それを分かりやすく説明したいと思います。
11年前に古民家リノベーションした我が家
の事例をご紹介いたします。




dazaike160618 (8)
 【2005年自宅リノベーション竣工当時】




原本★
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




主人の設計事務所独立を考えていた私達
は、その場所を愛媛県宇和島市の私の
実家と定め、2000年、東京から15年ぶり
に家族でUターン移住してきました。




北側部分の居住スペースは、主屋の下屋
部分にあたり、長い間使っていなかった為、
通気や採光が悪く、内装の新建材が湿気で
劣化しており、かなり劣悪な状態でした。




当時幼かった子ども達は、アレルギーが
ひどく、室内環境の影響でぜんそく発作を
頻発していました。




私たちは、すぐに改修を決意し、使い勝手
が悪いキッチン・トイレ・風呂などの水回り
設備も一緒にリノベーションすることにしま
した!




部屋を分断していた押し入れや廊下を全て
撤去、全ての部屋を通り部屋にし、引き戸で
仕切り、通風と採光を確保できる開口部を
配置しました。




また、圧迫されるほど低い天井を撤去し、
下屋部分の特徴である傾斜天井とし、構造
あらわしとしました。




【実例紹介】


キッチン  


dazaike160618 (2)
【リノベーション前のキッチン】

リビングと段差があり、コンクリート土間に
亀裂が入り、水漏れしていました。
安っぽい新建材の壁やタイルを全て撤去
しました。



dazaike160618 (6)
【リノベーション後のキッチン】

壁・天井はスギ、床はヒノキの無垢板
使用し、システムキッチンも新装、居間と
の段差もなくしました。天井は、出来る
だけ高さをとるように工夫しました。



kitchen
【工事から11年経過した現在】

天井や床の木材がアメ色になり、動線も
いいので、大変使い勝手のいいキッチン
です。




リビング  


dazaike160618 (3)
【リノベーション前のリビング】

湿気で床板がベコベコしていました。
安っぽい新建材の天井・壁・床を全て撤去
しました。




dazaike160618 (5)
【リノベーション後のリビング】

天井はスギ・床はヒノキの無垢板を使用。
壁は調湿機能のある珪藻土の塗壁としま
した。リビングとキッチンは、引き戸で
仕切っており、開けると、キッチンと一体に
なります。アルミサッシを撤去し、オーダー
の木製建具としました。



living
【工事から11年経過した現在】

リビングは家族が一番長く過ごすので、
開口は大きくし、明るくて、通気をよく
しています。断熱材も入れているので、
夏は涼しく、冬温かいので、家族がよく
集まる場所となりました。



dazaike160618kaiko
 【リノベーション後の開口部】

窓はできるだけ大きくし、北側部分の採光
をできるだけ取り入れるようにしました。



dazaike160618 (8)
【リノベーション後の寝室】

2間つづきの居室を遮る押し入れを撤去し、
廊下部分を全て押し入れにしました。
風の流れが大変よく、夏でもエアコン不要
なくらい涼しく気持ちのいい空間となりま
した。



room3
【リノベーション後の子ども部屋】

子ども部屋は奥の寝室への通り道になる
ため、ベッドなどを置く場所が取れません。
天井を撤去し、傾斜天井にした結果、
ロフト空間ができたので、子どものベッドと
しました。狭いですが、落ち着ける空間と
して、熟睡できると好評でした。



room2
【工事から11年経過した現在】

現在も必要最低限の家具しか置いてない
ので、すっきりとした状態です。
大学進学している息子達の部屋も、家族
が使うことで、空き部屋にならず、通気が
できています。




現在の様子を動画でも紹介しています。
下屋部分の狭い空間をできるだけ、広く
明るく気持ちよく生活できるよう工夫して
います。




◆キッチン・リビング編

 



◆子ども部屋・寝室編






我が家の古民家リノベーション事例、いかが
でしたか?



ikekara2



外観からはイメージできない居住空間
だったと思います。




我が家の主屋と離れは、建築当時のまま
維持していますが、家族が生活する居住
スペースは、リノベーションすることで、
古民家のデメリットである、汚い・暗い・
寒い・動線が悪い・段差がある・設備が
古いなどの悩みを全て解消しています。





お風呂やキッチンを最新設備にすることで、
築200年超の古民家でも、古民家の長年
培われたいい雰囲気と、生活しやすい便利さ
など、両方のプラス面を確保できています!





古民家リノベーション、本当にお勧めです!
古民家でなくても、中古物件でも同じように
リノベーションすることができます!




古民家や中古物件を所有されている方で、
老朽化・耐震化でご心配な方は、お気軽に
ご相談下さい。




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【建築ワード説明】


下屋(げや)
主屋に差しかけて造った小屋根やその
下の部分。

 
新建材(しんけんざい)
新しく開発された工業製品としての建築
材料の総称。


傾斜天井(けいしゃてんじょう)
勾配のついた天井のこと。


構造体(こうぞうたい)
建築の骨組み部分。梁や小屋組み、梁
のこと。


あらわし
柱や梁などの構造材が見える状態で仕上
げる手法のこと。


無垢材(むくざい)
合板や集成材ではなく、本来の風合いを
持つ天然材のこと。室内の湿度を調節する
働きもある。


調湿機能(ちょうしつきのう)
室内の湿度をコントロールする機能のこと。


珪藻土(けいそうど)
藻類の一種である珪藻の殻の化石から
なる堆積物が粘土状になったもの。


ロフト
部屋の内部に中二階として設けた空間や
屋根裏部屋のことをいう。



【古民家再生】古民家に住みたい人必見!意外と知らない古民家建築の種類と特徴とは?①


一級建築士 與那原浩(よなはらひろし)の
妻 與那原慶子(よなはらけいこ)と申しま
す。主人が自宅で、建築設計事務所を営ん
でいます。




先日、古民家建築についての種類と特徴
について告知しましたが、今回はその1回目
古民家再生です。




古民家再生には、再生のかたちが多様に
存在します。



①現地再生
 現在住んでいる家が老朽化したり、住み
 辛くなった場合に、改修して再生する
 方法です。


②移築再生
 不要となったり、空家になった古民家を
 譲り受け、解体した材料を新たな敷地に
 移動し再生する方法です。
 構造体である梁や柱の傷みのあるもの
 を除き、使える部材を選定することが
 重要ポイントと言えます。


③部分再生・古材利用
 
古民家を解体し、その柱や梁などの部材
 や建具などの一部を新築の建物に組み
 入れ、再生する方法です。
 木造以外の建築でも、インテリアの一部
 として使われることもあり、店舗や飲食店
 など雰囲気を重視する場合に用いられる
 場合が多いです。


 

いずれも、古民家の持つ長い間培われた
雰囲気が魅力的なので、現代のライフ
スタイルに合うようデザイン・設計・再生
されることは、日本の伝統資源の活用と
して、大変喜ばしいことです。




なお、この場合、上物だけでなく、耐震的
な不安要素である基礎部分を含めて、現在
の耐震基準に合致するよう検討する必要が
あります。




古民家再生の場合は、大規模な工事になる
ので、家としての機能を改善し、古民家の
デメリット(段差が多い・寒い・暗い)が
解消される一方で、コスト面では新築以上の
費用がかかる場合もあります。




seiyoshidoike
【古民家再生事例 愛媛県西予市土居家】
引用:じゃらんnetより
 



上記事例の土居家は、1827年の建築と
され、茅葺の木造家屋としては四国最大級
規模です。




もともと、この地域の庄屋だった土居家も
時代の流れに勝てず、子孫だけでは維持
管理も大変になり、建物も老朽化して、
空家同然の状態でした。そんな中で、地域
の文化遺産である土居家を保存していこう
という声が高まり、再生工事が行われまし
た。



doike全景
【老朽化した土居家】
引用:犬伏武彦著『民家ロマンチック街道-伊予路』




現在は、愛媛県西予市古民家交流館
として市営で運営され、古民家の魅力を
満喫できる施設となっています。




古民家の魅力のひとつに藁ぶきの屋根が
あります。大きく張り出した軒は、夏の日差
しを遮り、冬は建物の奥まで日射があたり、
雨風から外壁を守ります。




茅ぶきの葺き替えは、現在では材料も職人
も激減しており、費用も数千万円かかると
言われているので、屋根をガルバリウム
鋼板や瓦で葺き替えるのが一般的です。




古民家に使われている古材には、ケヤキ
・ヒノキ・サクラ・マツなど多様な樹木が
あります。囲炉裏の煙で、長年いぶされた
古材は表面が味わい深い色になっており、
防虫効果もあります。




木材の強度は200年~300年は変化しない
といわれており、古民家は最近の住宅とは
比較にならないほど頑丈で、良質な木材が
ふんだんに使われているのです。




現在、「住む人がいなくなる」「住み辛い」
などの理由で古民家がどんどん処分されて
います。古民家を安易に廃棄するのでは
なく、魅力を再確認しリフォームするなど
再活用していくことが、持続可能社会に
配慮することに繋がることになるのです。




古民家を現在所有されている方で、老朽
化してご心配な方は、お気軽にご相談
下さい。




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古民家に住みたい人必見!意外と知らない古民家建築の種類と特徴とは?~序章~


一級建築士 與那原浩(よなはらひろし)の
妻 與那原慶子(よなはらけいこ)と申します。
主人が自宅で、建築設計事務所を営んで
います。




dazaike7
正面左側から撮影の我が家




私たちの住んでいる家は、江戸時代の文化
文政時代(1804年~1830年)
に建築された
古民家です。




木造家屋の平屋建てですが、実に200年
以上の長きにわたり、風雪に耐えてきた
建築物です。



engawa
築山に臨む縁側




これまで、長く保ってきたのには、それなり
の理由があります。



1つは、風土にあった家づくりがなされて
いること。
2つめは、本物の自然素材で造られて
いること。
3つめは、風が通りやすく周りの環境が
いい
こと。
4つめは、地震に対して免震構造である
こと。
5つめは、空家の期間がなく、ずっと住み
継がれている
こと。




最近では、外国人の日本ブームの高まりと
ともに古民家カフェや古民家ステイなど、
店舗に古民家利用する人も増え、日本の
伝統構法である古民家を重用する風潮に
なり、古民家建築を生業とする私達にとって
は、とても嬉しい兆候です!




そこで、皆さんにお聞きしますが、古民家
建築にも色々種類があるの、ご存知です
か?古民家再生だけが、古民家建築では
ないです!




古民家建築の種類や特徴について、長い
間主人のそばで見てきた私なので、古民家
に住みたい方・興味ある方にむけて、
ご説明したいと思います!




古民家建築と言っても、ざっと見ても下記
くらい種類があります。



①古民家再生
②古民家リノベーション
③古民家リフォーム
④古民家修景
⑤古民家風新築





と、5回シリーズで、それぞれの特徴や
メリット・デメリット・コスト面を画像や
実例をあげてご説明したいと思います。




どうぞご愛読のほどよろしくお願いします!




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【古民家】伝統工法の船枻造りで大きな屋根を支える軒の役割とは?【動画あり】


自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、太宰家の主屋
(おもや)
の大きな屋根を支える船枻
(せがい)
を紹介します。




segai160525 (3)





太宰家の船枻(せがい)造りの軒先です。
南側と西側の大屋根を支えています。




segaiichi
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




船枻(せがい)とは、和船の両側に張り出し
た部分をいいます。松井郁夫先生の講演の
中でもイラストで紹介されていました。




segaizu




民家の軒先で出桁(だしげた)腕木
(うでき)
で支え、天井板を張った構造を
船枻(せがい)造りと呼んでいます。




かつては、和舟の底に板を張り櫓(ろ)をこぐ
場所にしていたそうです。その工法を、屋根
にも応用しているのです。




せがいにすることで、細い垂木(たるき)
でも、深い軒先を確保でき、風雨や強い
日差しから建物を守ってくれます。




この工法は格の高い家の象徴で、神社建築
などでよく見られます。機能性と重量感の
ある伝統的なつくりです。構造的には屋根
の重さを支える役割もあります。




100317segai3




腕木(うでき)小屋束(こやつか)に差し
込まれ、垂れないように納められています。
小屋梁(こやばり)の上に見える水平材が
腕木(うでき)です。









船枻(せがい)造りは、ここ愛媛県南予地域
の古民家に良くみられる構造形式です。
「木組みの家」のモデルとして、私の設計
するデザイン住宅に是非取り入れたいと
考えています。




日本の伝統建築を考えると、雨や雪などの
湿気から、いかにして木造を長持ちさせるか
といった工夫が随所に見られます。




過去にも、庇(ひさし)の記事で、外壁を
雨風から守る役割についてご紹介しました。
【古民家】外壁の劣化を藻やカビから守る庇の役割が凄すぎる!【動画あり】




古民家から先人の知恵を随所に学ばせて
頂けることに、いつも感謝しております。




外壁の劣化を防ぐには、早めの修繕・塗装
が大切です。藻やカビが生えてきたり、
ひび割れ(クラック)が見られるようになる
と、家の耐久性や資産価値など大きな損失
につながりますので、ご心配な場合は、
お早めにご相談下さい。




リフォームや修繕などのご相談や見積もりは
無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



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今日も最後まで読んで頂きありがとう
ございました。


 


【建築ワード説明】


松井郁夫(まついくにお)
1955年 福井県大野市生まれ
1977年 東京芸術大学美術学部卒業・工業
デザイン専攻
1985年 松井郁夫建築設計事務所設立
古民家再生や中規模木造建築の設計、
町並み保存や住民参加のまちづくりなども
手がける他、設計者・大工への育成も行い、
木組みの普及・継承にもつとめている。


出桁(だしげた)
梁または腕木を突出して、側柱面より外に
桁を出した構造のもの


腕木(うでき)
建物などから横に出して、他の部分から
加わる重みを支える木


垂木(たるき)
木造・鉄骨構造などの建築における小屋組
構造材で、 軒桁-母屋-棟木の上に、
等間隔に渡される。垂木の上に、野地板や
構造用合板などを張り、屋根下地とする


小屋束(こやつか)
小屋組に用いられる束で、梁(はり)の上に
あって母屋や棟木を支える

小屋梁(こやばり)
小屋組みに用いられた梁


木組みの家
無垢の木材を組み上げた本格的な伝統
構法の家のこと

【古民家】渡り廊下が持つ主屋と離れをつなぐ以上の役割とは!?【動画あり】



自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、太宰家の主屋
(おもや)
離れ(はなれ)をつないでいる
【渡り廊下】を紹介します。




watarirouka160430 (2)
【東側から撮影】



渡り廊下といえば、どんなところに設置
されているのをイメージしますか?




学校・病院・旅館・行政の庁舎・
神社仏閣
・大企業の社屋・駅などの大規模建築を
イメージしますよね?




我が家では、居住用住宅でありながら、
渡り廊下が主屋と離れをつなぎ、中庭を
仕切る形で設置
されています。




おかげで、住宅の床面積がかなり広いもの
となっています。



wtarirouka5
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




watarirouka160430 (3)
【西側から撮影】
 


主屋は、江戸時代の末期、文化文政時代
(1804年~1830年
に建造されたものと
聞いています。




一方、離れは、昭和3年(1928年)頃に
増築されていますので、100年くらいは、
主屋と庭だけの造りでした。




建築デザインの観点で言えば、主屋だけ
より、離れと長屋門が増築されたことで、
配置的なプロポーションがよくなり、家の
持つ威厳や風格が備わってくるように
思えます。




全景写真で見れば、その効果は絶大です。
この地域を治めていた庄屋の威厳が感じ
られます。



ikekara2
【池からの遠景写真】



主屋だけでは、屋敷としてのバランスが
悪いですが、離れがあることで、ぐっと
プロポーションがよくなりました!




周りの借景まで取り込んだ意匠(いしょう)
に、当時の棟梁のデザインセンスの高さ
に脱帽です。




渡り廊下で繋がっているため、雨の日
や風が強い日など天候に関係なく、主屋
と離れの行き来ができるようになったと
いうわけです。



20091014watariroka2



上記の画像は、主屋側から見たところです。
西側に広がる築山(つきやま)に行くため、
外からでも通れるように廊下の床を張って
ない部分があります。渡るときは足を踏み
外さないよう注意が必要です。




watarirouka160430 (1)



着物が主流だった時代、足を大股に開くこと
ができないので、渡し板が備えつけられて
います。



20091014watariroka3



主屋・離れの両側には、開き戸があり、
中から施錠
できる様になっています。
きちんと防火・防犯
対策が取られて
いるのも感心します。




離れ側の開き戸を開けると、離れの広縁
に繋がっています。渡り廊下と一帯に
なって続いているように見え、とても
広がりを感じます。




また、雨が降った場合の対策として、
ガラス戸が備わっています。使われている
ガラスは、昭和初期の建築当時のままの
状態です。




その当時のガラスは、厚みの違いによる
ゆらぎが残っていて、時代を感じることが
でき、面白いです。割れてしまっては、もう
同じものを造ることができないので、大切
に残しておきたいと思います。




 



主屋と離れをつないでいる渡り廊下の存在
が、太宰家の魅力を幾重にも高めてくれて
いるそんな風に思えてなりません。 




築200年以上の古民家ですが、空家の期間
がなく住み続けているため、定期的な手入れ
や修繕が行なわれており、ひどい傷みも
少なく、維持管理できています。




雨戸を開け放して、通気するだけで、老朽化
にかなりの差が出てきます。




もし、修繕が必要な箇所がありましたら、
ご相談や見積もりは無料ですので、お気軽
にご相談下さい。
  



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【建築ワード説明】

主屋(おもや)
主人とその家族が住む、中心となる建物


離れ(はなれ)
一定の広さをもった敷地内で、主たる
建物である主屋(おもや)に対し、従たる
建物として、主屋から離れた場所に存在
する建物


文化文政時代(1804年~1830年
江戸幕府 11代将軍 徳川家斉が、将軍
職を家慶に譲りながらも大御所として、
幕府の実権を握っていた時期で、平穏
な期間が続いたため、町民文化が発達
した。


プロポーション
住宅において、建物の大きさや各部分
の間や全体のバランスを指す。建築に
おいて、非常に重要なこと。


意匠(いしょう)
意匠とはデザインのことだが、建築では
建物の間取りや外観の設計を意味する
ことが多い。建物や室内の見え方のこと。


築山 (つきやま)
庭園などに、石や土を盛ってつくった人工
的な小山のこと。




今日も最後まで読んで頂きありがとう
ございました。

 

【古民家】外壁の劣化を藻やカビから守る庇の役割が凄すぎる!【動画あり】


自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、今回は、太宰家
の西側の蔵【庇(ひさし)】を紹介します。




庇(ひさし)とは、家屋の開口部
(かいこうぶ)(窓・出入り口)の上に取り
付けられている日よけや雨除けようの
小さめの屋根のことをいいます。



西側の蔵の庇は、瓦ぶきです。



20110516noshigawara




鬼瓦西の蔵
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




庇と言えば・・・
『庇を貸して母屋を取られる』という諺が
思い出されます。
家の一部を貸したばっかりに、しまいには
すべてを奪い取られるという意味で、恩を
仇で返されることの例えに使われます。
庇には守る・擁護するという意味があります。




庇があるおかげで、雨が降った時でも濡れ
ずに出入りができ、また壁の劣化も防ぐこと
が出来ます。




この蔵の壁の漆喰(しっくい)は、長い年月
が経っても、美しい乳白色を保っています。




現代風の家は、庇がない造りが多いよう
ですが、雨が多い地域では、北側や日差
しが当たらない外壁に緑色の藻やカビが
生えてしまうことがあります。




そうなると、外壁の劣化も進み、美観的に
も美しくありません。庇のあるおかげで、
長い年月が経った古民家でも壁が美しく
丈夫に保てるのです。




20110516noshigawara2




瓦屋根と漆喰塗の壁との取り合い部分は、
のし瓦(のしがわら)
で納められています。




のし瓦の端は、漆喰を雲型(くもがた)
造って納めています。伝統工法の造作
(ぞうさく)は
日本の伝統的な文様として、
雲型や唐草(からくさ)が多く用いられて
います。




基本の雛型(ひながた)はあるのでしょう
が、職人が自分の技術を示す場として、
自由に造形している様にも感じます。




20110516noshigawara3




こういった端の納まりを丁寧に施すことも
雨仕舞になります。それだけでなく、普段
人目にすることのない細部まで、装飾する
ところが、職人のこだわりや心意気を
感じることができます。




『納まりがいい』とは、合理的で調和の
とれた取り合わせになることをいいます。
我が家のような
伝統建築をみると、随所に
丁寧な納まりがあり、大変勉強になります。









外壁の劣化を防ぐには、早めの修繕・塗装
が大切です。藻やカビが生えてきたり、
ひび割れ(クラック)が見られるようになる
と、家の耐久性や資産価値など大きな損失
につながりますので、ご心配な場合は、
お早めにご相談下さい。




リフォームや修繕などのご相談や見積もりは
無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



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【建築ワード説明】


のし瓦(のしがわら)
棟にふく、細長い瓦のこと。棟の左右から
積み上げ、継ぎ目から雨水が入らないよう
に、継ぎ目に土を塗り込み位置をずらして
3段~7段に積み上げる。段数が多いほど
下地への雨水の浸入が防げる。


雲型(くもがた)
たなびいた雲の形やそれを描いた模様。


唐草(からくさ)
つる草がからみ合うさまを図案化した模様


雛型(ひながた)
実物を小さくかたどって作ったもの。模型。 


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