太宰家のこと

【古民家】アンティークな結霜ガラスは古民家のどこに使われてるの?【動画あり】


自宅
長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、太宰家の離れ
控えの間の建具をご紹介します。




アンティークガラスが古民家に?と不思議
思われる方がいるかもしれませんが・・・




現在では希少性とセンスの高さで、人気の
あるレトロな雰囲気のアンティークガラス。
我が家では、離れの建具に使われています。




結霜ガラス4




こちらが建具のガラスです。地模様がつい
ていますが、あまり見たことがない模様
ですね。





それもそのはず、今ではほとんど生産され
ていない大変貴重なガラスで、現在のように
大量生産には向かない工法のため、大正~
昭和初期頃しか生産されてない超レアもの
なのです。




原本★
出展:犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】




曇りガラスのように見えますが、実は、
『結霜ガラス』(けっそうがらす)と言い
ます。現在のガラスのように型を使って
製造されたものではありません。




動物の皮革などから採られる強力な

(にかわ)と呼ばれる
糊を、粗めに加工した
板ガラスの表面に塗り、不純物を取り除い
てゼラチンとなって・・・




膠が固形化し、乾燥収縮することで、ガラス
の表面に霜(しも)の結晶のような美しい
模様を作り出すことができます。




膠の量や養生時間、作業工程や周りの環境
によって、模様の出方も微妙に変化してしま
うため、安定した綺麗な模様を作るには高い
技術と長い経験が必要になります。




そういった手作業の行程で作りあげる製品
なので、現在のような大量生産する工業化
に合わず、やむを得ず生産中止となった
ようです。




結霜ガラス1
我が家の離れ玄関です。




結霜ガラスは、離れ玄関横の控えの間、
中庭に面した建具で使われています。




結霜ガラス2
離れ控えの間です。




離れ玄関からあがった、茶室である奥の
客間に入るための控え的な部屋で、広さ
は2畳しかありません。




そんな控えの間の建具に、結霜ガラスが
使われているので、当時の我が家は財力
があったのだと思います。




すりガラスよりモザイク性は低いですが、
光が地模様に透けて、とても柔らかな
優しい雰囲気になります。




結霜ガラス3
逆光の建具




外の格子と合わさって、いい雰囲気を醸し
出しています。




小説家 谷崎潤一郎は、著書の『陰翳礼讃』
(いんえいらいさん)の中で、『日本では、
むしろ陰翳を認め、それを利用することが
日本古来の芸術の特徴である』と主張して
います。





陰翳を作る格子も結霜ガラスも日本文化
ならではの産物なのですね。




でも、結霜ガラスは、建具よりも食器棚や
家具に多用されています。




16001p01
出展:http://www.risingpreneur.com/index.cgi?id=16001




アンティーク家具と相性のよいレトロガラス
が、家具としてもオブジェとしても、とても
いい存在感を醸し出しています。




結霜ガラスは、工業製品ではなく、手作り
なので、割れてしまったら2度と同じものを
入れ替えることができません。
大切に使用していきたいと思います。




動画でもご紹介しています。
 ↓ ↓






古民家のことでお困りのことがありました
ら、古民家建築の専門家の私に、お気軽
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【古民家】日本家屋の深い軒の役割が神すぎる!【動画あり】


自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、太宰家の
長屋門の軒を紹介します。




20090622noki
長屋門の軒下




原本★
出展:犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】




梅雨時期は、長い間激しい雨が降り、湿度
も高い日が続きました。




伝統的な日本家屋の特徴の一つとして、
深い軒のデザインがあります。高温多湿な
気候の中で快適さを求めると、家は開放的
なつくりになっていきます。




そうすると、雨風などの自然から建物を守る
ため、軒を深くする必然性があった
のだと
思います。




また、日本人独特の自然との一体感を求め
るという文化的な側面も考えられます。




長屋門の軒を見ると、外壁芯より軒先瓦
(のきさきがわら)
まで、1.18mあります。
これだけ軒が深いと少々の雨は外壁にかか
ることはありません。




しかし、これだけ軒が深いうえ瓦が葺かれて
いるのに、それを支えている垂木(たるき)
が小さいと思いませんか。




実は、この軒は二重構造になっているのです
が、お分かりになりますか?

20090622noki2
長屋門中庭から撮影




正面から見ると、屋根の勾配と軒の勾配の
違いがよくわかります。

20090622noki3




軒を深くすると軒先にかかる荷重が増える
ため、屋根を支える垂木も大きくなって
しまいます。




軒を二重にすることにより野垂木(のだる
き)
や補強材を隠すことができ、軒先の
垂れを防ぐ効果もあります。




また、屋根勾配よりも緩い勾配とすること
で、美観的にも落ち着いた雰囲気となって
いるのです。
匠の知恵と技術に感心するばかりです。




最近では、新築の家は洋風外観の家が、
とても多くなりました。間口の小さな窓を
採用している家が目立ちます。外観が洋風
になることで、軒は浅くなり、中には庇が
まったくない家もあります。




「家の作りようは、夏をむねとすべし」

いう考え方が日本にはありましたが、高温
多湿の風土から考えると、従来の日本家屋
のように、軒が深く、開口部が大きく、通気
のいい家と、輸入住宅のように必要最低限
の開口部しかない海外の住宅とは、家の
つくりやコンセプトが大きく異なります。




軒や庇が果たす重要な役割としては、少な
くとも4つの大きなメリットがあります。




①夏の日差しを防ぐこと。

ここのところ記録的な暑さが続いています
が、軒の深さが暑さ対策にも効果絶大です。
夏は太陽の位置が高いので、軒や庇に
よって、厳しい日差しを遮ることができます。




②冬の暖かい日差しを取り込むこと。

寒い冬は、太陽が低い位置を通るため、軒
や庇があっても、日差しは室内まで入り、
暖かな日射を取り込むことができます。




③雨が直接建物に降りかかるのを防ぐこと。


雨水は、建物の寿命に大きな影響を及ぼす
ことになるので、雨仕舞いはとても重要
です。外壁材と外壁材のつなぎ目、窓の
周囲、屋根の谷あたりから、雨漏りしたり、
雨水が入り込むケースがよくあります。




④壁を雨水から守ること。

雨量の多い日本では、壁に直接雨水が当た
らないように、軒や庇で雨水を遮ってきま
した。軒が浅くて、雨水がよく当たる壁は、
数年で藻が発生し、緑色の壁になってしま
います。壁を傷ませないためにも、雨水を
遮る対策が必要です。




日本家屋の深い軒は、デザイン的にも機能
的にも優れているということが分かります。
その土地の風土にあった建築様式にする
ことが、家を丈夫に長持ちさせるコツです。




最後に、動画もご覧ください。








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【建築ワード説明】


軒先瓦(のきさきがわら)
軒先を葺く瓦のことで、水切りがよいように
垂れが付いている。


垂木(たるき)
垂木とは母屋に固定された屋根の骨組み
で、野地板を固定する役割のこと。


野垂木(のだるき)
化粧垂木(けしょうだるき)の上にあって、
屋根を支えている垂木で、下からは見え
ない。


宇和島や古民家の記事の内容が凄すぎる!中西賢一氏のブログ『Trip-Nomad.com』


 一級建築士 與那原浩(よなはらひろし)
妻 與那原慶子(よなはらけいこ)と申し
ます。主人が自宅で、建築設計事務所
営んでいます。




私のネットスキルの先生である中西賢一
さんが、先日宇和島を訪問され、我が家に
来られたことをブログ記事にして頂きました。




宇和島や古民家について、たっぷりと
圧倒的な情報量で書いて頂きましたので、
ご紹介させて頂きます!




uwajima-kominka002

宇和島の『古民家』建築の専門家!與那原
氏から『古民家』の魅力をふんだんに教えて
もらった!
出典:http://trip-nomad.com/trip/japan/uwajima-kominka/




中西賢一さんは、アフィリエイターであり、
オンラインネット塾『彩塾』の副塾長でも
あります。私が、彩塾に入会している
関係で、色々とご指導頂いております。




ネットに精通している中西さんに、ブログ
でこのようにご紹介頂き、感謝でいっぱい
です。




ブログ記事の中に、我が家の古民家リノ
ベーション事例が紹介されております。




熊本地震の影響で、耐震工事をご希望の
お客様が大変増えております。




古民家についての修繕やリノベーション
などのご相談や見積もりは無料ですの
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【古民家】伝統工法の船枻造りで大きな屋根を支える軒の役割とは?【動画あり】


自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、太宰家の主屋
(おもや)
の大きな屋根を支える船枻
(せがい)
を紹介します。




segai160525 (3)





太宰家の船枻(せがい)造りの軒先です。
南側と西側の大屋根を支えています。




segaiichi
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




船枻(せがい)とは、和船の両側に張り出し
た部分をいいます。松井郁夫先生の講演の
中でもイラストで紹介されていました。




segaizu




民家の軒先で出桁(だしげた)腕木
(うでき)
で支え、天井板を張った構造を
船枻(せがい)造りと呼んでいます。




かつては、和舟の底に板を張り櫓(ろ)をこぐ
場所にしていたそうです。その工法を、屋根
にも応用しているのです。




せがいにすることで、細い垂木(たるき)
でも、深い軒先を確保でき、風雨や強い
日差しから建物を守ってくれます。




この工法は格の高い家の象徴で、神社建築
などでよく見られます。機能性と重量感の
ある伝統的なつくりです。構造的には屋根
の重さを支える役割もあります。




100317segai3




腕木(うでき)小屋束(こやつか)に差し
込まれ、垂れないように納められています。
小屋梁(こやばり)の上に見える水平材が
腕木(うでき)です。









船枻(せがい)造りは、ここ愛媛県南予地域
の古民家に良くみられる構造形式です。
「木組みの家」のモデルとして、私の設計
するデザイン住宅に是非取り入れたいと
考えています。




日本の伝統建築を考えると、雨や雪などの
湿気から、いかにして木造を長持ちさせるか
といった工夫が随所に見られます。




過去にも、庇(ひさし)の記事で、外壁を
雨風から守る役割についてご紹介しました。
【古民家】外壁の劣化を藻やカビから守る庇の役割が凄すぎる!【動画あり】




古民家から先人の知恵を随所に学ばせて
頂けることに、いつも感謝しております。




外壁の劣化を防ぐには、早めの修繕・塗装
が大切です。藻やカビが生えてきたり、
ひび割れ(クラック)が見られるようになる
と、家の耐久性や資産価値など大きな損失
につながりますので、ご心配な場合は、
お早めにご相談下さい。




リフォームや修繕などのご相談や見積もりは
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【建築ワード説明】


松井郁夫(まついくにお)
1955年 福井県大野市生まれ
1977年 東京芸術大学美術学部卒業・工業
デザイン専攻
1985年 松井郁夫建築設計事務所設立
古民家再生や中規模木造建築の設計、
町並み保存や住民参加のまちづくりなども
手がける他、設計者・大工への育成も行い、
木組みの普及・継承にもつとめている。


出桁(だしげた)
梁または腕木を突出して、側柱面より外に
桁を出した構造のもの


腕木(うでき)
建物などから横に出して、他の部分から
加わる重みを支える木


垂木(たるき)
木造・鉄骨構造などの建築における小屋組
構造材で、 軒桁-母屋-棟木の上に、
等間隔に渡される。垂木の上に、野地板や
構造用合板などを張り、屋根下地とする


小屋束(こやつか)
小屋組に用いられる束で、梁(はり)の上に
あって母屋や棟木を支える

小屋梁(こやばり)
小屋組みに用いられた梁


木組みの家
無垢の木材を組み上げた本格的な伝統
構法の家のこと

【古民家】渡り廊下が持つ主屋と離れをつなぐ以上の役割とは!?【動画あり】



自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、太宰家の主屋
(おもや)
離れ(はなれ)をつないでいる
【渡り廊下】を紹介します。




watarirouka160430 (2)
【東側から撮影】



渡り廊下といえば、どんなところに設置
されているのをイメージしますか?




学校・病院・旅館・行政の庁舎・
神社仏閣
・大企業の社屋・駅などの大規模建築を
イメージしますよね?




我が家では、居住用住宅でありながら、
渡り廊下が主屋と離れをつなぎ、中庭を
仕切る形で設置
されています。




おかげで、住宅の床面積がかなり広いもの
となっています。



wtarirouka5
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




watarirouka160430 (3)
【西側から撮影】
 


主屋は、江戸時代の末期、文化文政時代
(1804年~1830年
に建造されたものと
聞いています。




一方、離れは、昭和3年(1928年)頃に
増築されていますので、100年くらいは、
主屋と庭だけの造りでした。




建築デザインの観点で言えば、主屋だけ
より、離れと長屋門が増築されたことで、
配置的なプロポーションがよくなり、家の
持つ威厳や風格が備わってくるように
思えます。




全景写真で見れば、その効果は絶大です。
この地域を治めていた庄屋の威厳が感じ
られます。



ikekara2
【池からの遠景写真】



主屋だけでは、屋敷としてのバランスが
悪いですが、離れがあることで、ぐっと
プロポーションがよくなりました!




周りの借景まで取り込んだ意匠(いしょう)
に、当時の棟梁のデザインセンスの高さ
に脱帽です。




渡り廊下で繋がっているため、雨の日
や風が強い日など天候に関係なく、主屋
と離れの行き来ができるようになったと
いうわけです。



20091014watariroka2



上記の画像は、主屋側から見たところです。
西側に広がる築山(つきやま)に行くため、
外からでも通れるように廊下の床を張って
ない部分があります。渡るときは足を踏み
外さないよう注意が必要です。




watarirouka160430 (1)



着物が主流だった時代、足を大股に開くこと
ができないので、渡し板が備えつけられて
います。



20091014watariroka3



主屋・離れの両側には、開き戸があり、
中から施錠
できる様になっています。
きちんと防火・防犯
対策が取られて
いるのも感心します。




離れ側の開き戸を開けると、離れの広縁
に繋がっています。渡り廊下と一帯に
なって続いているように見え、とても
広がりを感じます。




また、雨が降った場合の対策として、
ガラス戸が備わっています。使われている
ガラスは、昭和初期の建築当時のままの
状態です。




その当時のガラスは、厚みの違いによる
ゆらぎが残っていて、時代を感じることが
でき、面白いです。割れてしまっては、もう
同じものを造ることができないので、大切
に残しておきたいと思います。




 



主屋と離れをつないでいる渡り廊下の存在
が、太宰家の魅力を幾重にも高めてくれて
いるそんな風に思えてなりません。 




築200年以上の古民家ですが、空家の期間
がなく住み続けているため、定期的な手入れ
や修繕が行なわれており、ひどい傷みも
少なく、維持管理できています。




雨戸を開け放して、通気するだけで、老朽化
にかなりの差が出てきます。




もし、修繕が必要な箇所がありましたら、
ご相談や見積もりは無料ですので、お気軽
にご相談下さい。
  



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【建築ワード説明】

主屋(おもや)
主人とその家族が住む、中心となる建物


離れ(はなれ)
一定の広さをもった敷地内で、主たる
建物である主屋(おもや)に対し、従たる
建物として、主屋から離れた場所に存在
する建物


文化文政時代(1804年~1830年
江戸幕府 11代将軍 徳川家斉が、将軍
職を家慶に譲りながらも大御所として、
幕府の実権を握っていた時期で、平穏
な期間が続いたため、町民文化が発達
した。


プロポーション
住宅において、建物の大きさや各部分
の間や全体のバランスを指す。建築に
おいて、非常に重要なこと。


意匠(いしょう)
意匠とはデザインのことだが、建築では
建物の間取りや外観の設計を意味する
ことが多い。建物や室内の見え方のこと。


築山 (つきやま)
庭園などに、石や土を盛ってつくった人工
的な小山のこと。




今日も最後まで読んで頂きありがとう
ございました。

 

【古民家】外壁の劣化を藻やカビから守る庇の役割が凄すぎる!【動画あり】


自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、今回は、太宰家
の西側の蔵【庇(ひさし)】を紹介します。




庇(ひさし)とは、家屋の開口部
(かいこうぶ)(窓・出入り口)の上に取り
付けられている日よけや雨除けようの
小さめの屋根のことをいいます。



西側の蔵の庇は、瓦ぶきです。



20110516noshigawara




鬼瓦西の蔵
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




庇と言えば・・・
『庇を貸して母屋を取られる』という諺が
思い出されます。
家の一部を貸したばっかりに、しまいには
すべてを奪い取られるという意味で、恩を
仇で返されることの例えに使われます。
庇には守る・擁護するという意味があります。




庇があるおかげで、雨が降った時でも濡れ
ずに出入りができ、また壁の劣化も防ぐこと
が出来ます。




この蔵の壁の漆喰(しっくい)は、長い年月
が経っても、美しい乳白色を保っています。




現代風の家は、庇がない造りが多いよう
ですが、雨が多い地域では、北側や日差
しが当たらない外壁に緑色の藻やカビが
生えてしまうことがあります。




そうなると、外壁の劣化も進み、美観的に
も美しくありません。庇のあるおかげで、
長い年月が経った古民家でも壁が美しく
丈夫に保てるのです。




20110516noshigawara2




瓦屋根と漆喰塗の壁との取り合い部分は、
のし瓦(のしがわら)
で納められています。




のし瓦の端は、漆喰を雲型(くもがた)
造って納めています。伝統工法の造作
(ぞうさく)は
日本の伝統的な文様として、
雲型や唐草(からくさ)が多く用いられて
います。




基本の雛型(ひながた)はあるのでしょう
が、職人が自分の技術を示す場として、
自由に造形している様にも感じます。




20110516noshigawara3




こういった端の納まりを丁寧に施すことも
雨仕舞になります。それだけでなく、普段
人目にすることのない細部まで、装飾する
ところが、職人のこだわりや心意気を
感じることができます。




『納まりがいい』とは、合理的で調和の
とれた取り合わせになることをいいます。
我が家のような
伝統建築をみると、随所に
丁寧な納まりがあり、大変勉強になります。









外壁の劣化を防ぐには、早めの修繕・塗装
が大切です。藻やカビが生えてきたり、
ひび割れ(クラック)が見られるようになる
と、家の耐久性や資産価値など大きな損失
につながりますので、ご心配な場合は、
お早めにご相談下さい。




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ございました。


 


【建築ワード説明】


のし瓦(のしがわら)
棟にふく、細長い瓦のこと。棟の左右から
積み上げ、継ぎ目から雨水が入らないよう
に、継ぎ目に土を塗り込み位置をずらして
3段~7段に積み上げる。段数が多いほど
下地への雨水の浸入が防げる。


雲型(くもがた)
たなびいた雲の形やそれを描いた模様。


唐草(からくさ)
つる草がからみ合うさまを図案化した模様


雛型(ひながた)
実物を小さくかたどって作ったもの。模型。 


【古民家】『瓦らぶ』という愛好者も多い日本建築の屋根の装飾瓦とは?【動画あり】



自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。 




私が住んでいる妻の実家、今回も、
太宰家の屋根の装飾瓦の役物(やくもの)
の紹介です。




日本の屋根は、粘土瓦が現在でも一番多く
建材として使われています。瓦と言えば、
単に本瓦等の一定の形をした瓦が主流です
が、瓦のスタイル・用途・焼成法・色・
等級・産地など・・・様々な分類があり、
1000を越えるほどの種類があります。




役物瓦とは、一般に用いられる標準の形に
対し、特殊な場所に使用される特殊な形状
の瓦のことを言います。





巴蓋(ともえぶた)は、役物瓦の一種で、
棟と棟が交差する場所に、
雨仕舞
(あめじまい)
の瓦として用いられ、
元々は半球形の瓦でした。




そこに装飾が加えられ、魔よけの意味がある
「獅子」や「動物」・「立浪」・「七福神」
などの巴蓋が造られるようになりました。
日本建築の芸術性の高さには、本当に驚き
ですね。

                  


我が家の
漆喰塗(しっくいぬり)土塀
(どべい)
出隅(ですみ)にある鯉の巴蓋
は、表情がかわいいですね!
今にも空に向かって、飛び跳ねようとして
います。



tomoebuta160318 (1)





tomoebuta160318 (5)









tomoebuta

―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




鯉が瓦に用いられているのは、水に住む
生き物ということで、火を遠ざけようとする
思いがあるのでしょうか。




また、「竜門の滝登り」の故事にあるよう
に、中国の黄河上流にある「竜門の滝」
と呼ばれる急流を登りきれた鯉は、化して
竜になるという伝説があり、
立身出世の
象徴です。縁起のよい魚として重用された
のでしょうね。




対として、桃の巴蓋もあります。桃は、
魔除の果物として、中国では魔物を退散
させるという謂れがあります。





tomoebuta160318 (3)



まるまるとした水分を大量に含む桃は、昔
から不老長寿の果物とされ、霊力を持つ
果実とされています。








tomoebuta160318 (4)




こんな風に土塀の上で配置されています!
鯉と桃が対になっているのには理由がある

のでしょうか・・・




我が家の瓦を見ても、前回の記事で鬼瓦
のように、装飾の種類が色々あり、とても
興味深いです。




「鬼瓦」の記事も書いています。
【古民家】屋根上の鬼瓦の役割とは?
  守り神?ただの飾り?





世間では、InstagramやTwitterで瓦の写真
投稿をしている瓦らぶと呼ばれる愛好家の
人達も多いと聞きます。




世界に誇れる日本の芸術性高い建築を
私達建築士が後世に守っていかねばと
あらためて思いました。 




我が家の離れも、10年ほど前に雨漏りが
するようになり、瓦の葺き替えをしました。
雨漏りがあると、天井・梁・柱・床などに
影響があり、木材がシロアリ被害を受ける
など、家の耐久性に深刻な影響が出ます。




古民家の場合は、家自体もかなり老朽化
しています。古民家に合うような瓦の選定
・職人の手配などがありますので、古民家
専門の私にご相談下さい。




設計事務所は、設計など図面をかくだけが
仕事ではありません。工事や職人の手配
なども行います。また、工事の進行が図面
通り適性に行われているかチェックする
監理も行います。




屋根が傷んで、雨漏りがご心配な場合は、
深刻な影響が出る前に、早め早めの対処
が必要です。




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今日も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。





 
【建築ワード説明】

雨仕舞(あめじまい)
建築物などの内部に雨水が入らないように
すること。


漆喰塗(しっくいぬり)
日本特有の塗壁材。消石灰に砂,海藻のり
すさを混合して水で練ったもので、壁や天井
の仕上げに使用する。


土塀(どべい)
土で造った塀のこと。


出隅(ですみ)
壁・板など、二つの平面が出合った所の
外側の角のこと。


 

【古民家】屋根上の鬼瓦の役割とは?守り神?ただの飾り?【動画あり】


自宅長屋門(ながやもん)で、
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古民家建築の専門家 與那原浩です。 




私が住んでいる妻の実家、今回は、太宰家
の【屋根の上にある鬼瓦(おにがわら)

紹介です。




鬼瓦とは、屋根のもっとも高いところの端に
つける鬼の顔をかたどった瓦のことですが、
鬼の顔がなくても鬼瓦と言います。




雨仕舞い(あめじまい)の役割を兼ねた装飾
瓦なので、種類は多く、鬼の形だけでなく、
シンプルな形のものから、蓮の花や福の神
がついたものなどがあります。





20090727onigawara




この鬼瓦(おにがわら)が載っているのは、
2つある蔵のうち、西の蔵です。いかつい
顔をしていますが、よく見るとユニークな
顔つきです。




鬼瓦といえば、オードリー春日さんのネタ
が思い出されます・・・・我が家の鬼瓦の方
が、春日さんの鬼瓦の顔よりかわいく思え
ますね・・・('艸`*) 



鬼瓦西の蔵
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―   



上の配置図を見ますと、太宰家には、東と
西と2つ蔵があります。敷地内にバランス
よく配置されている蔵は、現代でいう納戸
のような役割でした。




日本家屋は、
開口部(かいこうぶ)が多く、
建具(たてぐ)で仕切られています。壁が
少ないため、部屋にはあまり家具は置かず、
蔵に保管して、季節ごとに取り出していた
ようです。




太宰家では、東の蔵には米や陶器類。 
西の蔵には衣類や布団類や季節で替える
簾(すだれ)衝立(ついたて)などが保管
されていました。




そのほとんどは、日常使っていたような
もので、今では多くがガラクタになって
しまっています。




さて、話を鬼瓦に戻します。



20090727onigawara2




よく見ると東面と西面では鬼の表情が違い
ます。




最初の画像、東面の鬼は比較的普通の表情
でしたが、すぐ上の画像、西面の鬼は口を
大きく開けて相手を威嚇する様な怖い顔です。




日本古来の
陰陽道(おんみょうどう)の思想
から、違いがきているのでしょうか。




鬼瓦が造られる様になったのは奈良時代
以降と言われています。




邪を払う意味を込めた中国古代の文様が
変化して、鬼瓦になったようです。鬼の頭の
上に見える
巴紋(ともえもん)の部分は鳥衾
(とりぶすま)
といいます。巴紋は水を意味
する文様なので、火除け(ひよけ)の意味が
込められています。




この部分は地域によっても呼び方が異なり、
カラス止まり、カラス休みなどとも呼ばれる
そうです。




愛媛県武道館の玄関正面の中庭には、
愛媛県の菊間町(きくまちょう)で造られた
巨大な鬼瓦が展示されてあります。




最近は見られなくなった鬼瓦ですが、鬼師
(おにし)
の技を残す上でも、伝統の継承を
願っていきたいものです。







我が家の屋根を修理した時に、残念ながら
傷みが激しい鬼瓦を最近のものと交換し、
空いた場所に放置することになりました。


 

こういった装飾瓦一つとっても、日本建築は
本当に奥深い芸術性を感じます。




この冬、私達が住んでいる地方に雪が3回
降りました。南国と思われている愛媛県です
が、実は、下関の方からの冷たい大気が
四国山脈にぶち当たり、雪が降る時があり
ます。雪が降ると、屋根に積もった雪が、
溶け落ちる時に樋(とい)が傷みやすく
なったりします。




また、当然のことながら、屋根の瓦の劣化に
より雨漏りにつながることもあります。雨漏
りすると、木材の腐食からシロアリの発生
につながり、ひいては家全体の耐久性も
失ってしまうので、見過ごせない事例です。




たかが雨漏りと考えていると、家の耐久性や
資産価値など大きな損失につながります。
ご心配な場合は、お早めにご相談下さい。




リフォームや修繕などのご相談や見積もりは
無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



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今日も最後まで読んで頂きありがとう
ございました。


 


【建築ワード説明】


雨仕舞い(あめじまい)
建築物内部に雨水が浸入しないような
仕組みを施す総称。


開口部(かいこうぶ)
建築物で屋根、壁、床、天井の一部が
開放された部分をいう。採光、通風、
換気、人や物の出入りなどの目的で
設ける。


建具(たてぐ)
戸、障子、襖、窓など、開閉して空間を
仕切るものの総称。
 

簾(すだれ)
竹やよしなどを編んで、部屋の仕切り
あるいは日よけのために吊り下げて
用いるもの。


衝立(ついたて)
日本の家屋(伝統的建築)で用い
られる、目隠しや間仕切り家具のこと。


陰陽道(おんみょうどう)
古代中国の陰陽(いんよう)五行
(ごぎょう)説にもとづいて、自然現象を
説明し人間の吉凶を判断する学問の
こと。


巴紋(ともえもん)
コンマあるいは勾玉のような形をした
日本の伝統的な文様の一つで、巴を
使った紋の総称。


鳥衾(とりぶすま)
鬼瓦の上に、反って長く突き出した
円筒状の瓦のこと。


愛媛県武道館
愛媛県武道館は、愛媛県松山市の
松山中央公園内にある武道館。
財団法人愛媛県スポーツ振興事業団
が運営している。
愛媛県産の木材、菊間瓦、大島石、
砥部焼などを利用して建設され、
日本武道館や東京武道館と並ぶ日本
最大級規模の施設。


菊間町(きくまちょう)
菊間町は、かつて愛媛県の東予地方に
あった町。2005年1月、今治市と菊間町
を含む越智郡12町村での新設合併に
より、新:今治市の一部となった。
古くから菊間瓦の生産で有名。


鬼師(おにし) 
鬼瓦を手作業で作る職人のこと。


 

【古民家】耐震補強は必要なの?不安定そうに見える建物基礎部分からの検証とは!【動画あり】



自宅長屋門(ながやもん)
で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。 




私が住んでいる妻の実家、今回は、
太宰家の基礎部分】の紹介です。




古民家に住んでみて改めて、日本建築の魅力を
しみじみ感じています。




現代の住宅において、忘れ去られたこれら
日本建築のよさを、私のつくる建築に遺して
いきたいと思い、お手本にしています。




20110328ishibatate




古民家再生・リフォームする時に、心配なことの一つが
【耐震補強】
の問題です。




伝統工法による建築の足元は、石の上に
柱が立つ
石場立て(いしばたて)といわれる構造になっています。
太宰家の主屋の柱も石場立てです。



ishibatate0226
                                         
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―



現在では、コンクリート基礎を立ち上げた上に土台を
敷いて家を建てますが、コンクリートのなかった時代
には、最初の画像のように
礎石(そせき)の上に
柱を立て、
足固め(あしがため)で柱同士をつないで、
建てるのが普通でした。




古民家や社寺の修理や再生においては、石場立てを
きちんと扱えるかどうかで、その後の建物の寿命が
大きく左右されます。




石場立ての家では、建物の足元の通気性がいいので、
そもそも
防腐性・防蟻性が格段に違います。
そして、万が一に床下で何かが起きていたとしても、
発見がしやすいのです。




110328ishibadate2



また、柱がそれぞれ独立基礎(どくりつきそ)の上に
載っているだけなので、土台を敷いてある場合と違って、
その柱の足元だけを直すといったようなことも可能です。




このメンテナンス性のよさが、石場立ての特徴であり、
日本の古民家が長寿命であることに大きく貢献して
います。




建物と地面が直結していない=地震力を低減させる 
ということを、江戸時代の建築の棟梁や職人達は、
すでに知っていたのです。




一見、耐震的には問題ありそうに見えますが、
木の持つ本来の粘りの性質が、柳のように柔軟に
機能している造りなのです。









ただ、未曾有の大災害ともなった阪神、東日本大震災級の
巨大地震が起こり、縦揺れした場合は、礎石(そせき)と柱が
離れて、家が浮き上がり、柱が礎石からずれた場合は、
バランスを崩して倒壊したり、傾く恐れがあります。




また、地盤に問題がある場合もありますので、古民家再生・
リフォームする際には、現地調査が欠かせません!




古民家を活かした設計を考えた時、耐震性について、あらゆる
可能性で人の命を守る家づくりを考えていかねばならないと
思っています。




今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。





私の設計事務所公式サイト『與那原浩建築設計室』はこちらです。
お気軽にお問い合わせ下さい。




【建築ワード説明】


石場立て(いしばたて)
建築の基礎部分で、石やコンクリートの基礎の上に
直接柱を載せる方式のこと。


礎石(そせき)
礎石(そせき)とは、建造物の土台(礎)となって、
などを支える石のこと。


足固め(あしがため)
土台を使わない建て方で、柱の脚部を補強するために、
柱相互を水平につなぐ部材のこと。


独立基礎(どくりつきそ)
建物の下全体に一体化した基礎ではなく、それぞれの
柱下に個別的に設けられる基礎のこと。

 

【古民家】小屋組に上がってみた!幾何学模様のように見えるリズミカルな梁の交差とは?【画像つき】



自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士 與那原浩です。 



今回も、
私が住んでいる妻の実家 太宰家の土間空間の小屋組(こやぐみ)
の続きを紹介します。



20090909koyakumi2



小屋組(こやぐみ)にハシゴをかけて、登ってみることにしました。
吹抜けの根太天井(ねだてんじょう)から小屋組を見ています。



手前に見えるのが大黒柱(だいこくばしら)の頭部です。間近で
見ると、その迫力に圧倒されます。



小屋組に外部からの光が差し込んでいて、陰影のコントラストが
美しいです。



koyagumi

            ―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―


20090909koyakumi22



こうやって見ると、小屋束(こやづか)
をつないでいる小屋貫(こやぬき)
がリズミカルに交差しています。



小屋梁’(こやばり)の緩やかな曲線と小屋貫(こやぬき)の直線が、
複雑な幾何学模様のように見えて、ため息が出るほど美しいです。



太宰家の大きな屋根を支えるためには、こんなにたくさんの梁や柱で、
小屋組を構成しないといけないということに、あらためて、200年以上昔の
造り手達の大変さに思いをはせています。


20090909koyakumi23


クレーンもない時代に、これだけの小屋組を組む上げることが、
どんなに大変だったか・・・



静寂の中で耳を澄ますと・・・



建築中の当時の職人達が声を掛け合いながら、ひとつひとつ木材を
引き上げている様子が目に浮かんでくるようです。



驚いたことに、江戸末期に造られたこの小屋組は、今もしっかりと
バランスを保っていて、大きな屋根を支えています。



1本でも欠けたらバランスが崩れてしまう小屋組ですが、
ち密な計算で組まれているのか、完璧なバランスで配置されています。



今は、
CAD(キャド)という便利な設計ソフトで、設計や
構造計算(こうぞうけいさん)をしている私には、当時の棟梁の
完璧な構造計算にはとうてい及びません。



090909koyagumi27



長い間、小屋組の美しさに見とれていたので、下を見おろしたら、
根太天井(ねだてんじょう)から土間まで結構な高さがあることに
気がつきました。



ハシゴをかけて上ったので、カメラと三脚を抱えて降りなければ
ならず・・・・今になって足がすくんできました。
 


小屋組の配置を間近で見て、しみじみ、自分の造る家が、太宰家の
ように長い間住み継いでいかれるような堅牢さであらねばならぬと、
気持ちを新たにしました。



今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。



【建築ワード説明】


根太天井(ねだてんじょう)
民家の天井形式の一つ。2階の床組を1階の天井として現わしたもので、
根太を渡して板を張った形式のこと。



大黒柱(だいこくばしら)
古い民家などで、家の中央に立つひときわ太い柱

 
小屋束(こやづか)
小屋組を構成する部材で、梁の上に垂直に立ち、母屋と棟木を支える柱の総称。


小屋貫(こやぬき)
小屋組を構成する部材で、柱などの垂直材間に通す水平材。


CAD(キャド)
コンピューターを用いて設計することで、設計する場合は建築設計用の
ソフトを使う。 
computer-aided designの略。
『與那原浩建築設計室』    公式サイトへ
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プロフィール

與那原浩

與那原浩建築設計室
〒798-1136
愛媛県宇和島市三間町大内20
TEL/FAX:0895-20-7250
携帯:090-7575-1358
email:h_yonahara@ybb.ne.jp
一級建築士
専攻建築士
インテリアコーディネーター
木造住宅耐震診断士
地震被災建築物応急危険度判定士
設計・リフォーム・古民家再生のご相談はお気軽に!
築200年以上の古民家長屋門(ながやもん)で、建築設計事務所を営んでいる一級建築士 古民家建築の専門家 與那原浩です。沖縄県宮古島出身。東京から2000年に妻の郷里である愛媛県宇和島市三間町にIターン。築200年超の古民家で家族と暮らしながら、長屋門に一級建築士事務所を開設。古民家に学ぶ家づくりをコンセプトに住宅の設計監理業務を行っています。愛媛県内子町の町並み修景に多数実績があります。
  

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