古民家

【古民家】日本家屋の深い軒の役割が神すぎる!【動画あり】


自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、太宰家の
長屋門の軒を紹介します。




20090622noki
長屋門の軒下




原本★
出展:犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】




梅雨時期は、長い間激しい雨が降り、湿度
も高い日が続きました。




伝統的な日本家屋の特徴の一つとして、
深い軒のデザインがあります。高温多湿な
気候の中で快適さを求めると、家は開放的
なつくりになっていきます。




そうすると、雨風などの自然から建物を守る
ため、軒を深くする必然性があった
のだと
思います。




また、日本人独特の自然との一体感を求め
るという文化的な側面も考えられます。




長屋門の軒を見ると、外壁芯より軒先瓦
(のきさきがわら)
まで、1.18mあります。
これだけ軒が深いと少々の雨は外壁にかか
ることはありません。




しかし、これだけ軒が深いうえ瓦が葺かれて
いるのに、それを支えている垂木(たるき)
が小さいと思いませんか。




実は、この軒は二重構造になっているのです
が、お分かりになりますか?

20090622noki2
長屋門中庭から撮影




正面から見ると、屋根の勾配と軒の勾配の
違いがよくわかります。

20090622noki3




軒を深くすると軒先にかかる荷重が増える
ため、屋根を支える垂木も大きくなって
しまいます。




軒を二重にすることにより野垂木(のだる
き)
や補強材を隠すことができ、軒先の
垂れを防ぐ効果もあります。




また、屋根勾配よりも緩い勾配とすること
で、美観的にも落ち着いた雰囲気となって
いるのです。
匠の知恵と技術に感心するばかりです。




最近では、新築の家は洋風外観の家が、
とても多くなりました。間口の小さな窓を
採用している家が目立ちます。外観が洋風
になることで、軒は浅くなり、中には庇が
まったくない家もあります。




「家の作りようは、夏をむねとすべし」

いう考え方が日本にはありましたが、高温
多湿の風土から考えると、従来の日本家屋
のように、軒が深く、開口部が大きく、通気
のいい家と、輸入住宅のように必要最低限
の開口部しかない海外の住宅とは、家の
つくりやコンセプトが大きく異なります。




軒や庇が果たす重要な役割としては、少な
くとも4つの大きなメリットがあります。




①夏の日差しを防ぐこと。

ここのところ記録的な暑さが続いています
が、軒の深さが暑さ対策にも効果絶大です。
夏は太陽の位置が高いので、軒や庇に
よって、厳しい日差しを遮ることができます。




②冬の暖かい日差しを取り込むこと。

寒い冬は、太陽が低い位置を通るため、軒
や庇があっても、日差しは室内まで入り、
暖かな日射を取り込むことができます。




③雨が直接建物に降りかかるのを防ぐこと。


雨水は、建物の寿命に大きな影響を及ぼす
ことになるので、雨仕舞いはとても重要
です。外壁材と外壁材のつなぎ目、窓の
周囲、屋根の谷あたりから、雨漏りしたり、
雨水が入り込むケースがよくあります。




④壁を雨水から守ること。

雨量の多い日本では、壁に直接雨水が当た
らないように、軒や庇で雨水を遮ってきま
した。軒が浅くて、雨水がよく当たる壁は、
数年で藻が発生し、緑色の壁になってしま
います。壁を傷ませないためにも、雨水を
遮る対策が必要です。




日本家屋の深い軒は、デザイン的にも機能
的にも優れているということが分かります。
その土地の風土にあった建築様式にする
ことが、家を丈夫に長持ちさせるコツです。




最後に、動画もご覧ください。








リフォームや修繕などのご相談や見積もり
は無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



このバナーをクリックして頂くと、事務所
サイトに飛びますので、よろしくお願い
します!
       ↓  ↓  ↓

ブログバナー2



メールでお問い合わせされる方は、こちらへ
   ↓  ↓  ↓
メールフォーマー




今日も最後まで読んで頂き、ありがとう
ございました。




【建築ワード説明】


軒先瓦(のきさきがわら)
軒先を葺く瓦のことで、水切りがよいように
垂れが付いている。


垂木(たるき)
垂木とは母屋に固定された屋根の骨組み
で、野地板を固定する役割のこと。


野垂木(のだるき)
化粧垂木(けしょうだるき)の上にあって、
屋根を支えている垂木で、下からは見え
ない。


宇和島や古民家の記事の内容が凄すぎる!中西賢一氏のブログ『Trip-Nomad.com』


 一級建築士 與那原浩(よなはらひろし)
妻 與那原慶子(よなはらけいこ)と申し
ます。主人が自宅で、建築設計事務所
営んでいます。




私のネットスキルの先生である中西賢一
さんが、先日宇和島を訪問され、我が家に
来られたことをブログ記事にして頂きました。




宇和島や古民家について、たっぷりと
圧倒的な情報量で書いて頂きましたので、
ご紹介させて頂きます!




uwajima-kominka002

宇和島の『古民家』建築の専門家!與那原
氏から『古民家』の魅力をふんだんに教えて
もらった!
出典:http://trip-nomad.com/trip/japan/uwajima-kominka/




中西賢一さんは、アフィリエイターであり、
オンラインネット塾『彩塾』の副塾長でも
あります。私が、彩塾に入会している
関係で、色々とご指導頂いております。




ネットに精通している中西さんに、ブログ
でこのようにご紹介頂き、感謝でいっぱい
です。




ブログ記事の中に、我が家の古民家リノ
ベーション事例が紹介されております。




熊本地震の影響で、耐震工事をご希望の
お客様が大変増えております。




古民家についての修繕やリノベーション
などのご相談や見積もりは無料ですの
で、お気軽にご相談下さい。
  



このバナーをクリックして頂くと、事務所
サイトに飛びますので、よろしくお願い
します!


       ↓  ↓  ↓

ブログバナー2



メールでお問い合わせされる方は、こちらへ
   ↓  ↓  ↓
メールフォーマー





【古民家リフォーム】古民家に住みたい人必見!意外と知らない古民家建築の種類と特徴とは?③


一級建築士 與那原浩(よなはらひろし)の
妻 與那原慶子(よなはらけいこ)と申しま
す。主人が自宅で、建築設計事務所を営ん
でいます。




先日、古民家建築についての種類と特徴
について告知しましたが、今回はその3回目
古民家リフォームです。
1回目 古民家再生
2回目 古民家リノベーション




=================


【リフォーム】

リフォームは、老朽化した建物を悪い状態
から改良することを言い、マンションや
アパートの場合は、退去後の原状回復を
意味します。

マイナスの状態から、機能を元の状態に
回復させることが多く、外装の塗り直しや
壁紙の張り替え、水周り設備の変更など
を言います。


=================



古民家リフォームでは、屋根や外壁の雨
漏りの修復、外壁塗装、段差解消、手すりの
増築、建具の修繕、トイレの改修など、通常
の中古物件リフォームと変わりません。




古民家は木造が大半なので、雨漏りで材が
濡れてしまうと、腐ったり、カビが生えた
り、白アリ被害を受けやくなります。




tenjo
雨漏りした天井
出典:http://nichijuko.info/14/



また、長い年月、風雪に耐えた屋根は、経年
劣化が激しくなっていることが予想されます
ので、屋根が傷んで、雨漏りがご心配な場合
は、深刻な影響が出る前に、早め早めの
対処が必要です。



yanerekka
屋根の経年劣化
出典:http://maxreform.jp/studyblog/1511061640.html




日本の伝統工法と言われる和風建築では、
屋根を谷に納める工法が多いので、銅板
の経年劣化による雨漏り被害が多いです。




 屋根谷
屋根谷部分の経年劣化による雨漏り
出典:http://sato.cms-lite.net/blog/2012/06/post-90.html




地震による外壁のクラック・塗壁のはがれ
なども、雨水が浸食し、家の耐久性に
問題が出てくるので、見かけたら早めの
対応が必要です。



crack
地震や地盤沈下による外壁のクラック
出展:http://stc-santec.co.jp/service/tosou.html



gaiheki2
塗壁のはがれ
出展:http://www.t-sakan.com/2015-11-30arimatu/



gaiheki1
石垣壁のはがれ





リフォームや修繕などのご相談や見積もり
は無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



このバナーをクリックして頂くと、事務所
サイトに飛びますので、よろしくお願い
します!
       ↓  ↓  ↓

ブログバナー2



メールでお問い合わせされる方は、こちらへ
   ↓  ↓  ↓
メールフォーマー




今日も最後まで読んで頂き、ありがとう
ございました。

【古民家リノベーション】古民家に住みたい人必見!意外と知らない古民家建築の種類と特徴とは?②


一級建築士 與那原浩(よなはらひろし)の
妻 與那原慶子(よなはらけいこ)と申しま
す。主人が自宅で、建築設計事務所を営ん
でいます。




先日、古民家建築についての種類と特徴
について告知しましたが、今回はその2回目
古民家リノベーションです。
1回目 古民家再生




あなたは、リノベーションといえば、どんな
イメージを持たれていますか?
同じような用語のリフォームとの違いは、
お分かりでしょうか?



===============


【リノベーション】

既存建物を大規模改修することで、性能
や価値を高めることを言います。デザイン
性の質を高めたり、住環境を現代的な
スタイルにしたり、間取りや内外装を変更
したりします。



【リフォーム】


リフォームは、老朽化した建物を悪い状態
から改良することを言い、マンションや
アパートの場合は、退去後の原状回復を
意味します。
マイナスの状態から、機能を元の状態に
回復させることが多く、外装の塗り直しや
壁紙の張り替え、水周り設備の変更など
を言います。


===============


リノベーションとリフォームの違いがお分か
り頂けたでしょうか?似て非なるものと
言いますが、リノベーションとリフォームは
全く違う意味になります。




それを分かりやすく説明したいと思います。
11年前に古民家リノベーションした我が家
の事例をご紹介いたします。




dazaike160618 (8)
 【2005年自宅リノベーション竣工当時】




原本★
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




主人の設計事務所独立を考えていた私達
は、その場所を愛媛県宇和島市の私の
実家と定め、2000年、東京から15年ぶり
に家族でUターン移住してきました。




北側部分の居住スペースは、主屋の下屋
部分にあたり、長い間使っていなかった為、
通気や採光が悪く、内装の新建材が湿気で
劣化しており、かなり劣悪な状態でした。




当時幼かった子ども達は、アレルギーが
ひどく、室内環境の影響でぜんそく発作を
頻発していました。




私たちは、すぐに改修を決意し、使い勝手
が悪いキッチン・トイレ・風呂などの水回り
設備も一緒にリノベーションすることにしま
した!




部屋を分断していた押し入れや廊下を全て
撤去、全ての部屋を通り部屋にし、引き戸で
仕切り、通風と採光を確保できる開口部を
配置しました。




また、圧迫されるほど低い天井を撤去し、
下屋部分の特徴である傾斜天井とし、構造
あらわしとしました。




【実例紹介】


キッチン  


dazaike160618 (2)
【リノベーション前のキッチン】

リビングと段差があり、コンクリート土間に
亀裂が入り、水漏れしていました。
安っぽい新建材の壁やタイルを全て撤去
しました。



dazaike160618 (6)
【リノベーション後のキッチン】

壁・天井はスギ、床はヒノキの無垢板
使用し、システムキッチンも新装、居間と
の段差もなくしました。天井は、出来る
だけ高さをとるように工夫しました。



kitchen
【工事から11年経過した現在】

天井や床の木材がアメ色になり、動線も
いいので、大変使い勝手のいいキッチン
です。




リビング  


dazaike160618 (3)
【リノベーション前のリビング】

湿気で床板がベコベコしていました。
安っぽい新建材の天井・壁・床を全て撤去
しました。




dazaike160618 (5)
【リノベーション後のリビング】

天井はスギ・床はヒノキの無垢板を使用。
壁は調湿機能のある珪藻土の塗壁としま
した。リビングとキッチンは、引き戸で
仕切っており、開けると、キッチンと一体に
なります。アルミサッシを撤去し、オーダー
の木製建具としました。



living
【工事から11年経過した現在】

リビングは家族が一番長く過ごすので、
開口は大きくし、明るくて、通気をよく
しています。断熱材も入れているので、
夏は涼しく、冬温かいので、家族がよく
集まる場所となりました。



dazaike160618kaiko
 【リノベーション後の開口部】

窓はできるだけ大きくし、北側部分の採光
をできるだけ取り入れるようにしました。



dazaike160618 (8)
【リノベーション後の寝室】

2間つづきの居室を遮る押し入れを撤去し、
廊下部分を全て押し入れにしました。
風の流れが大変よく、夏でもエアコン不要
なくらい涼しく気持ちのいい空間となりま
した。



room3
【リノベーション後の子ども部屋】

子ども部屋は奥の寝室への通り道になる
ため、ベッドなどを置く場所が取れません。
天井を撤去し、傾斜天井にした結果、
ロフト空間ができたので、子どものベッドと
しました。狭いですが、落ち着ける空間と
して、熟睡できると好評でした。



room2
【工事から11年経過した現在】

現在も必要最低限の家具しか置いてない
ので、すっきりとした状態です。
大学進学している息子達の部屋も、家族
が使うことで、空き部屋にならず、通気が
できています。




現在の様子を動画でも紹介しています。
下屋部分の狭い空間をできるだけ、広く
明るく気持ちよく生活できるよう工夫して
います。




◆キッチン・リビング編

 



◆子ども部屋・寝室編






我が家の古民家リノベーション事例、いかが
でしたか?



ikekara2



外観からはイメージできない居住空間
だったと思います。




我が家の主屋と離れは、建築当時のまま
維持していますが、家族が生活する居住
スペースは、リノベーションすることで、
古民家のデメリットである、汚い・暗い・
寒い・動線が悪い・段差がある・設備が
古いなどの悩みを全て解消しています。





お風呂やキッチンを最新設備にすることで、
築200年超の古民家でも、古民家の長年
培われたいい雰囲気と、生活しやすい便利さ
など、両方のプラス面を確保できています!





古民家リノベーション、本当にお勧めです!
古民家でなくても、中古物件でも同じように
リノベーションすることができます!




古民家や中古物件を所有されている方で、
老朽化・耐震化でご心配な方は、お気軽に
ご相談下さい。




このバナーをクリックして頂くと、事務所
サイトに飛びますので、よろしくお願い
します!
       ↓  ↓  ↓
ブログバナー2




メールでお問い合わせされる方は、こちらへ
   ↓  ↓  ↓
メールフォーマー




今日も最後までお読み頂きありがとう
ございました!



 
【建築ワード説明】


下屋(げや)
主屋に差しかけて造った小屋根やその
下の部分。

 
新建材(しんけんざい)
新しく開発された工業製品としての建築
材料の総称。


傾斜天井(けいしゃてんじょう)
勾配のついた天井のこと。


構造体(こうぞうたい)
建築の骨組み部分。梁や小屋組み、梁
のこと。


あらわし
柱や梁などの構造材が見える状態で仕上
げる手法のこと。


無垢材(むくざい)
合板や集成材ではなく、本来の風合いを
持つ天然材のこと。室内の湿度を調節する
働きもある。


調湿機能(ちょうしつきのう)
室内の湿度をコントロールする機能のこと。


珪藻土(けいそうど)
藻類の一種である珪藻の殻の化石から
なる堆積物が粘土状になったもの。


ロフト
部屋の内部に中二階として設けた空間や
屋根裏部屋のことをいう。



古民家に住みたい人必見!意外と知らない古民家建築の種類と特徴とは?~序章~


一級建築士 與那原浩(よなはらひろし)の
妻 與那原慶子(よなはらけいこ)と申します。
主人が自宅で、建築設計事務所を営んで
います。




dazaike7
正面左側から撮影の我が家




私たちの住んでいる家は、江戸時代の文化
文政時代(1804年~1830年)
に建築された
古民家です。




木造家屋の平屋建てですが、実に200年
以上の長きにわたり、風雪に耐えてきた
建築物です。



engawa
築山に臨む縁側




これまで、長く保ってきたのには、それなり
の理由があります。



1つは、風土にあった家づくりがなされて
いること。
2つめは、本物の自然素材で造られて
いること。
3つめは、風が通りやすく周りの環境が
いい
こと。
4つめは、地震に対して免震構造である
こと。
5つめは、空家の期間がなく、ずっと住み
継がれている
こと。




最近では、外国人の日本ブームの高まりと
ともに古民家カフェや古民家ステイなど、
店舗に古民家利用する人も増え、日本の
伝統構法である古民家を重用する風潮に
なり、古民家建築を生業とする私達にとって
は、とても嬉しい兆候です!




そこで、皆さんにお聞きしますが、古民家
建築にも色々種類があるの、ご存知です
か?古民家再生だけが、古民家建築では
ないです!




古民家建築の種類や特徴について、長い
間主人のそばで見てきた私なので、古民家
に住みたい方・興味ある方にむけて、
ご説明したいと思います!




古民家建築と言っても、ざっと見ても下記
くらい種類があります。



①古民家再生
②古民家リノベーション
③古民家リフォーム
④古民家修景
⑤古民家風新築





と、5回シリーズで、それぞれの特徴や
メリット・デメリット・コスト面を画像や
実例をあげてご説明したいと思います。




どうぞご愛読のほどよろしくお願いします!




このバナーをクリックして頂くと、事務所
サイトに飛びますので、よろしくお願い
します!
       ↓  ↓  ↓
ブログバナー2





メールでお問い合わせされる方は、こちらへ
   ↓  ↓  ↓
メールフォーマー



【古民家】伝統工法の船枻造りで大きな屋根を支える軒の役割とは?【動画あり】


自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、太宰家の主屋
(おもや)
の大きな屋根を支える船枻
(せがい)
を紹介します。




segai160525 (3)





太宰家の船枻(せがい)造りの軒先です。
南側と西側の大屋根を支えています。




segaiichi
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




船枻(せがい)とは、和船の両側に張り出し
た部分をいいます。松井郁夫先生の講演の
中でもイラストで紹介されていました。




segaizu




民家の軒先で出桁(だしげた)腕木
(うでき)
で支え、天井板を張った構造を
船枻(せがい)造りと呼んでいます。




かつては、和舟の底に板を張り櫓(ろ)をこぐ
場所にしていたそうです。その工法を、屋根
にも応用しているのです。




せがいにすることで、細い垂木(たるき)
でも、深い軒先を確保でき、風雨や強い
日差しから建物を守ってくれます。




この工法は格の高い家の象徴で、神社建築
などでよく見られます。機能性と重量感の
ある伝統的なつくりです。構造的には屋根
の重さを支える役割もあります。




100317segai3




腕木(うでき)小屋束(こやつか)に差し
込まれ、垂れないように納められています。
小屋梁(こやばり)の上に見える水平材が
腕木(うでき)です。









船枻(せがい)造りは、ここ愛媛県南予地域
の古民家に良くみられる構造形式です。
「木組みの家」のモデルとして、私の設計
するデザイン住宅に是非取り入れたいと
考えています。




日本の伝統建築を考えると、雨や雪などの
湿気から、いかにして木造を長持ちさせるか
といった工夫が随所に見られます。




過去にも、庇(ひさし)の記事で、外壁を
雨風から守る役割についてご紹介しました。
【古民家】外壁の劣化を藻やカビから守る庇の役割が凄すぎる!【動画あり】




古民家から先人の知恵を随所に学ばせて
頂けることに、いつも感謝しております。




外壁の劣化を防ぐには、早めの修繕・塗装
が大切です。藻やカビが生えてきたり、
ひび割れ(クラック)が見られるようになる
と、家の耐久性や資産価値など大きな損失
につながりますので、ご心配な場合は、
お早めにご相談下さい。




リフォームや修繕などのご相談や見積もりは
無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



このバナーをクリックして頂くと、事務所
サイトに飛びますので、よろしくお願い
します!
       ↓  ↓  ↓

ブログバナー2



メールでお問い合わせされる方は、こちらへ
   ↓  ↓  ↓
メールフォーマー




今日も最後まで読んで頂きありがとう
ございました。


 


【建築ワード説明】


松井郁夫(まついくにお)
1955年 福井県大野市生まれ
1977年 東京芸術大学美術学部卒業・工業
デザイン専攻
1985年 松井郁夫建築設計事務所設立
古民家再生や中規模木造建築の設計、
町並み保存や住民参加のまちづくりなども
手がける他、設計者・大工への育成も行い、
木組みの普及・継承にもつとめている。


出桁(だしげた)
梁または腕木を突出して、側柱面より外に
桁を出した構造のもの


腕木(うでき)
建物などから横に出して、他の部分から
加わる重みを支える木


垂木(たるき)
木造・鉄骨構造などの建築における小屋組
構造材で、 軒桁-母屋-棟木の上に、
等間隔に渡される。垂木の上に、野地板や
構造用合板などを張り、屋根下地とする


小屋束(こやつか)
小屋組に用いられる束で、梁(はり)の上に
あって母屋や棟木を支える

小屋梁(こやばり)
小屋組みに用いられた梁


木組みの家
無垢の木材を組み上げた本格的な伝統
構法の家のこと

【古民家】耐震補強は必要なの?不安定そうに見える建物基礎部分からの検証とは!【動画あり】



自宅長屋門(ながやもん)
で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。 




私が住んでいる妻の実家、今回は、
太宰家の基礎部分】の紹介です。




古民家に住んでみて改めて、日本建築の魅力を
しみじみ感じています。




現代の住宅において、忘れ去られたこれら
日本建築のよさを、私のつくる建築に遺して
いきたいと思い、お手本にしています。




20110328ishibatate




古民家再生・リフォームする時に、心配なことの一つが
【耐震補強】
の問題です。




伝統工法による建築の足元は、石の上に
柱が立つ
石場立て(いしばたて)といわれる構造になっています。
太宰家の主屋の柱も石場立てです。



ishibatate0226
                                         
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―



現在では、コンクリート基礎を立ち上げた上に土台を
敷いて家を建てますが、コンクリートのなかった時代
には、最初の画像のように
礎石(そせき)の上に
柱を立て、
足固め(あしがため)で柱同士をつないで、
建てるのが普通でした。




古民家や社寺の修理や再生においては、石場立てを
きちんと扱えるかどうかで、その後の建物の寿命が
大きく左右されます。




石場立ての家では、建物の足元の通気性がいいので、
そもそも
防腐性・防蟻性が格段に違います。
そして、万が一に床下で何かが起きていたとしても、
発見がしやすいのです。




110328ishibadate2



また、柱がそれぞれ独立基礎(どくりつきそ)の上に
載っているだけなので、土台を敷いてある場合と違って、
その柱の足元だけを直すといったようなことも可能です。




このメンテナンス性のよさが、石場立ての特徴であり、
日本の古民家が長寿命であることに大きく貢献して
います。




建物と地面が直結していない=地震力を低減させる 
ということを、江戸時代の建築の棟梁や職人達は、
すでに知っていたのです。




一見、耐震的には問題ありそうに見えますが、
木の持つ本来の粘りの性質が、柳のように柔軟に
機能している造りなのです。









ただ、未曾有の大災害ともなった阪神、東日本大震災級の
巨大地震が起こり、縦揺れした場合は、礎石(そせき)と柱が
離れて、家が浮き上がり、柱が礎石からずれた場合は、
バランスを崩して倒壊したり、傾く恐れがあります。




また、地盤に問題がある場合もありますので、古民家再生・
リフォームする際には、現地調査が欠かせません!




古民家を活かした設計を考えた時、耐震性について、あらゆる
可能性で人の命を守る家づくりを考えていかねばならないと
思っています。




今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。





私の設計事務所公式サイト『與那原浩建築設計室』はこちらです。
お気軽にお問い合わせ下さい。




【建築ワード説明】


石場立て(いしばたて)
建築の基礎部分で、石やコンクリートの基礎の上に
直接柱を載せる方式のこと。


礎石(そせき)
礎石(そせき)とは、建造物の土台(礎)となって、
などを支える石のこと。


足固め(あしがため)
土台を使わない建て方で、柱の脚部を補強するために、
柱相互を水平につなぐ部材のこと。


独立基礎(どくりつきそ)
建物の下全体に一体化した基礎ではなく、それぞれの
柱下に個別的に設けられる基礎のこと。

 

【古民家】小屋組に上がってみた!幾何学模様のように見えるリズミカルな梁の交差とは?【画像つき】



自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士 與那原浩です。 



今回も、
私が住んでいる妻の実家 太宰家の土間空間の小屋組(こやぐみ)
の続きを紹介します。



20090909koyakumi2



小屋組(こやぐみ)にハシゴをかけて、登ってみることにしました。
吹抜けの根太天井(ねだてんじょう)から小屋組を見ています。



手前に見えるのが大黒柱(だいこくばしら)の頭部です。間近で
見ると、その迫力に圧倒されます。



小屋組に外部からの光が差し込んでいて、陰影のコントラストが
美しいです。



koyagumi

            ―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―


20090909koyakumi22



こうやって見ると、小屋束(こやづか)
をつないでいる小屋貫(こやぬき)
がリズミカルに交差しています。



小屋梁’(こやばり)の緩やかな曲線と小屋貫(こやぬき)の直線が、
複雑な幾何学模様のように見えて、ため息が出るほど美しいです。



太宰家の大きな屋根を支えるためには、こんなにたくさんの梁や柱で、
小屋組を構成しないといけないということに、あらためて、200年以上昔の
造り手達の大変さに思いをはせています。


20090909koyakumi23


クレーンもない時代に、これだけの小屋組を組む上げることが、
どんなに大変だったか・・・



静寂の中で耳を澄ますと・・・



建築中の当時の職人達が声を掛け合いながら、ひとつひとつ木材を
引き上げている様子が目に浮かんでくるようです。



驚いたことに、江戸末期に造られたこの小屋組は、今もしっかりと
バランスを保っていて、大きな屋根を支えています。



1本でも欠けたらバランスが崩れてしまう小屋組ですが、
ち密な計算で組まれているのか、完璧なバランスで配置されています。



今は、
CAD(キャド)という便利な設計ソフトで、設計や
構造計算(こうぞうけいさん)をしている私には、当時の棟梁の
完璧な構造計算にはとうてい及びません。



090909koyagumi27



長い間、小屋組の美しさに見とれていたので、下を見おろしたら、
根太天井(ねだてんじょう)から土間まで結構な高さがあることに
気がつきました。



ハシゴをかけて上ったので、カメラと三脚を抱えて降りなければ
ならず・・・・今になって足がすくんできました。
 


小屋組の配置を間近で見て、しみじみ、自分の造る家が、太宰家の
ように長い間住み継いでいかれるような堅牢さであらねばならぬと、
気持ちを新たにしました。



今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。



【建築ワード説明】


根太天井(ねだてんじょう)
民家の天井形式の一つ。2階の床組を1階の天井として現わしたもので、
根太を渡して板を張った形式のこと。



大黒柱(だいこくばしら)
古い民家などで、家の中央に立つひときわ太い柱

 
小屋束(こやづか)
小屋組を構成する部材で、梁の上に垂直に立ち、母屋と棟木を支える柱の総称。


小屋貫(こやぬき)
小屋組を構成する部材で、柱などの垂直材間に通す水平材。


CAD(キャド)
コンピューターを用いて設計することで、設計する場合は建築設計用の
ソフトを使う。 
computer-aided designの略。

【古民家】小屋組(こやぐみ)の紹介!誰もが魅了される梁の土間空間とは?【画像・動画つき】


自宅長屋門で、建築設計事務所を営んでいる一級建築士 與那原浩です。 
私が住んでいる妻の実家 太宰家の土間空間の小屋組(こやぐみ)の紹介です。



20090908koyakumi1



koyagumi
            ―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―     



我が家の玄関を入ると、三和土の土間の上部に小屋組架構(かこう)
広がっています。



ダイナミックに黒く太い梁が交差する様は、見る者に驚きを与え、その美しい
架構にしばし魅了されます。



20090908koyakumi12




太宰家の土間上に広がる小屋組の架構です。
梁間(はりま)が10m、桁行が6.5mの土間空間を支えている小屋組です。









この小屋組の特徴は、丸太梁(まるたばり)を太い状態のまま使わずに
両端を切り落とすタイコにしていることです。




そのことで、下から見上げた時に空間がひろがり、繊細な架構として
写ります。この様な納め方にしている例は、南予(なんよ)ではあまり
見られません。



古民家研究の第一人者であられる犬伏教授の著『民家と人間の物語』
よれば、太宰家の梁組は『飛騨の匠によるものかと思うほど洗練された梁組』
とあります。




構造的力強さと架構の美しさが共存している空間です。




200年以上昔の江戸末期の時代、重機もないのにどうやって、この大きな梁
を運んできたのでしょうか?



ダイナミックな小屋組を眺めながら、この家を建築している様子を想像して、
その時代に思いをはせてみると、いかに多くの職人達が、太宰家建築に
関わったか・・・
そんなことを考えるのが、とても楽しく思えます。




今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。



【建築ワード説明】
 
小屋組(こやぐみ)
住宅などの建築物の屋根部分の骨組のことで、トラスともいう。


架構(かこう)
骨組みとなる部材を結合して組み立てた構造物のこと。


丸太梁(まるたばり)
自然のままの製材されていない木材のこと。


タイコ
丸太材の二面を平行に切り落とし、断面が太鼓形になった木材のこと。


南予(なんよ)
愛媛県の南予とは、宇和島市・八幡浜市・大洲市・西予市・喜多郡内子町・
西宇和郡伊方町・北宇和郡松野町・北宇和郡鬼北町・南宇和郡愛南町の
4市5町からなる愛媛県の南西地域のこと。


犬伏教授
愛媛県在住の古民家研究者 元
松山東雲女子短期大学特任教授
愛媛の民家研究会「茅舎」代表として民家・古建築の調査に従事、松山市の
庚申庵や野村町の土居家などの修復にも当たった。



【古民家】離れ玄関の紹介!古民家でも『バリアフリー』ってできるの?沓脱石の高さをカバーするには?【動画つき】



自宅
長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。





私が住んでいる妻の実家、今回は、太宰家
の離れ玄関【沓脱石】(くつぬぎいし)の
紹介です。





20091028kutsunugiishi




離れの玄関の引き戸を開けると、見えている
のが、沓脱石(くつぬぎいし)と言われる石
です。








kurumayose
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




玄関土間から畳床まで700㎜ありますので、
上にあがるには高さ的に必要になります。



台座石(だいざいし)の高さが60㎜あり、
その上に納められています。
沓脱石の上部にある上り框(あがりかまち)
はケヤキ材です。105×258(㎜)の太さです。




大きさは、幅1,150×奥行305×高さ270(㎜)
です。石の種類は花崗岩(かこうがん)
思われます。




全体は小叩き(こたたき)ハツリ仕上げ
で、角は15RのゆるやかなR面となって
おり、目地切り(めじぎり)が施されています。




20091028kutsunugiishi3



R面の計測は中村好文氏考案の定規
アールゲージにて計測しました。




20091028kutsunugiishi4



畳床からだと、このように見えます。




床下の湿気対策で高床になっていますが、
この高さだともう一段欲しいところです。
残念ながらバリアフリーとは言えないです
ね。




しかし、手すりを設けたりして昇降しやすい
工夫を施せば、バリアを解消できます。
古民家でもバリアフリーの再生は必要だと
考えています。




手すり・段差解消・スロープをつけるなど、
高齢者の方がお住まいの住宅を改修する
場合には、補助金が活用できます。




リフォームや修繕などのご相談や見積もり
は無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



このバナーをクリックして頂くと、事務所
サイトに飛びますので、よろしくお願い
します!
       ↓  ↓  ↓

ブログバナー2



メールでお問い合わせされる方は、こちらへ
   ↓  ↓  ↓
メールフォーマー




今日も最後まで読んで頂きありがとう
ございました。


 


【建築ワード説明】
 

長屋門(ながやもん)
門に住まいが合体した建物を長屋門とよび、
武家屋敷や裕福な農家の門として造られた
ところ。長屋門では、門の両側部分は使用
人などの住居・納屋・作業所などに利用
されていた。

 
沓脱石(くつぬぎいし)
土間から床までの高さがあり、1段で上がる
のには高すぎるとき、途中に配置される石
のこと。


上り框(あがりかまち)
主に玄関の上がり口で履物を置く土間の
部分と。廊下や玄関ホール等の床との
段差部に水平に渡した横木のこと。


花崗岩(かこうがん)
火成岩の一種で、御影石(みかげいし)と
呼ばれる。ありふれた石材で、硬いので
建築材料として用いられる。研磨すること
によって光沢が出る。


小叩き(こたたき)
石の表面仕上げの方法で、ビシャン仕上げ
(特殊なハンマーで叩いて表面を凸凹に
仕上げること)を施した上に、石ノミで
もって細密な平行線をきざんだ仕上げの
こと。


ハツリ仕上げ
表面をタガネでたたいて薄く削り取り、
ざらっとした仕上げにすること。


R面(あーるめん)
Round の頭文字をとった表現で、曲面の
ことをいう。ここでは、沓脱石の角の尖った
ところを丸く面取りすること。


目地切り(めじぎり)
少し間隔を空けた部材間の隙間・継ぎ目の
部分のこと。

 
中村好文(なかむらよしふみ)
千葉県出身。武蔵野美術大学建築学科
卒業の建築家。1981年に独立して設計
事務所を設立し、住宅建築を中心に活動、
家具製作も行っている。
様々な建物を紹介するエッセイストとしても
知られており、建築家としての活動のみ
ならず、執筆活動も20年にわたり継続的に
行っている。


アールゲージ
モノの角の丸さを半径で示すR(アール)
は、【radius】すなわち「半径」のことを
いい、建築部位の角の丸さを正確に測る時
に使用する定規のこと。


畳床(たたみどこ)
畳を敷いた床の間のこと。

 
『與那原浩建築設計室』    公式サイトへ
ブログバナー


livedoor プロフィール
最新コメント
月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
ランキングに参加しています!
ブログ村ランキング
  • ライブドアブログ