玄関

【古民家】離れ玄関の紹介!古民家でも『バリアフリー』ってできるの?沓脱石の高さをカバーするには?【動画つき】



自宅
長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。





私が住んでいる妻の実家、今回は、太宰家
の離れ玄関【沓脱石】(くつぬぎいし)の
紹介です。





20091028kutsunugiishi




離れの玄関の引き戸を開けると、見えている
のが、沓脱石(くつぬぎいし)と言われる石
です。








kurumayose
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―




玄関土間から畳床まで700㎜ありますので、
上にあがるには高さ的に必要になります。



台座石(だいざいし)の高さが60㎜あり、
その上に納められています。
沓脱石の上部にある上り框(あがりかまち)
はケヤキ材です。105×258(㎜)の太さです。




大きさは、幅1,150×奥行305×高さ270(㎜)
です。石の種類は花崗岩(かこうがん)
思われます。




全体は小叩き(こたたき)ハツリ仕上げ
で、角は15RのゆるやかなR面となって
おり、目地切り(めじぎり)が施されています。




20091028kutsunugiishi3



R面の計測は中村好文氏考案の定規
アールゲージにて計測しました。




20091028kutsunugiishi4



畳床からだと、このように見えます。




床下の湿気対策で高床になっていますが、
この高さだともう一段欲しいところです。
残念ながらバリアフリーとは言えないです
ね。




しかし、手すりを設けたりして昇降しやすい
工夫を施せば、バリアを解消できます。
古民家でもバリアフリーの再生は必要だと
考えています。




手すり・段差解消・スロープをつけるなど、
高齢者の方がお住まいの住宅を改修する
場合には、補助金が活用できます。




リフォームや修繕などのご相談や見積もり
は無料ですので、お気軽にご相談下さい。
  



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ございました。


 


【建築ワード説明】
 

長屋門(ながやもん)
門に住まいが合体した建物を長屋門とよび、
武家屋敷や裕福な農家の門として造られた
ところ。長屋門では、門の両側部分は使用
人などの住居・納屋・作業所などに利用
されていた。

 
沓脱石(くつぬぎいし)
土間から床までの高さがあり、1段で上がる
のには高すぎるとき、途中に配置される石
のこと。


上り框(あがりかまち)
主に玄関の上がり口で履物を置く土間の
部分と。廊下や玄関ホール等の床との
段差部に水平に渡した横木のこと。


花崗岩(かこうがん)
火成岩の一種で、御影石(みかげいし)と
呼ばれる。ありふれた石材で、硬いので
建築材料として用いられる。研磨すること
によって光沢が出る。


小叩き(こたたき)
石の表面仕上げの方法で、ビシャン仕上げ
(特殊なハンマーで叩いて表面を凸凹に
仕上げること)を施した上に、石ノミで
もって細密な平行線をきざんだ仕上げの
こと。


ハツリ仕上げ
表面をタガネでたたいて薄く削り取り、
ざらっとした仕上げにすること。


R面(あーるめん)
Round の頭文字をとった表現で、曲面の
ことをいう。ここでは、沓脱石の角の尖った
ところを丸く面取りすること。


目地切り(めじぎり)
少し間隔を空けた部材間の隙間・継ぎ目の
部分のこと。

 
中村好文(なかむらよしふみ)
千葉県出身。武蔵野美術大学建築学科
卒業の建築家。1981年に独立して設計
事務所を設立し、住宅建築を中心に活動、
家具製作も行っている。
様々な建物を紹介するエッセイストとしても
知られており、建築家としての活動のみ
ならず、執筆活動も20年にわたり継続的に
行っている。


アールゲージ
モノの角の丸さを半径で示すR(アール)
は、【radius】すなわち「半径」のことを
いい、建築部位の角の丸さを正確に測る時
に使用する定規のこと。


畳床(たたみどこ)
畳を敷いた床の間のこと。

 

【古民家】離れ玄関の紹介!車寄せの天井から見えてくる施主のこだわりとは?


自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。





私が住んでいる妻の実家、今回は、太宰家
の離れ玄関【車寄せ】(くるまよせ)の紹介
です。




20091027kurumayose




太宰家は、下図のように主屋と離れ・
長屋門(ながやもん)で構成されています。



kurumayose
―犬伏武彦著 【民家ロマンチック街道―伊予路】引用―



では、車寄せとはどういう場所を言うので
しょうか。




自動車の乗り降りのために、玄関前に
設けた屋根つきの部分で、昔、 牛車を寄せ
て乗り降りできるように、建物の出入り口に
庇(ひさし)などを張り出して造った建物
部位のことです。



一般的に車寄せのある玄関は格式が高いと
され、現在では旅館・ホテル・官公庁・病院
など、人の出入りが多い施設の入口などに
使われています。




現在の離れは、8代目当主 太宰孫九が、
昭和初期に建てたものと言われています。
孫九は、実業家として、多くの企業の経営を
しながら、衆議院議員として、政界にも進出
していました。




そのため、松山にある別邸と自宅を行来する
生活をしていましたが、自宅にも、事業や
政治の話をするための離れを造ったと言われ
ています。



20091027kurumayose2




車寄せではありますが、格式を重んじ、
天井も格縁天井(ごうぶちてんじょう
なっています。動画でも視聴できますの
で、興味のある方はご覧下さい。










20091027kurumayose3




この天井の格縁(ごうぶち)は、昭和初期
の建築では珍しい銀杏面(銀杏の葉の
形のようにRにシャクられた面)です。
格縁にて格子を作り、その格間(ごうま)
に正方形の板を張ったものです。




格縁と格縁の仕口(しぐち)は、90年近く
たった現在でも、一分の隙もありません。




離れの玄関とはいえ、施主である孫九の
こだわりを感じます。よほど、この離れ
の建築には、熱い思いがあったものと
思われます。離れの部屋にも、随所に
こだわりの箇所がありますが、それはまた
後日説明いたします。




太宰家の離れは、施主のこだわりを受け、
木を知り尽くした職人の技が見事に活か
されています。




施主と造り手の思いがぴったり合致した
家は雰囲気もよく、居心地がいいものです。
私の造る建築もそうあらねばと、この家を
見るにつけ、身の引き締まる思いでいます。




今日も最後まで読んで頂き、ありがとう
ございました。




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【建築ワード説明】
 

庇(ひさし)
外壁に取り付けられた片流れの屋根状の
突出部のこと。玄関扉の上部などに付ける
ことが多い。



仕口 (しぐち)
木材の加工において、2つの材料が取り
合う時、直角につなぐ加工方法の総称。


格縁(ごうぶち)
升目(グリッド)を作っている部材のこと。


格縁天井(ごうぶちてんじょう)
45~90センチ程度の升目に組まれた
デザインの天井のこと。


 

【古民家】玄関・土間から思いをはせる古きよき時代とは!



自宅長屋門(ながやもん)で、
建築設計事務所を営んでいる
一級建築士
古民家建築の専門家 與那原浩です。




私が住んでいる妻の実家、今回は、太宰家
の【玄関・土間】を紹介します。




 20090812genkan



式台(しきだい)は、元は下駄箱兼用のもの
がありましたが、シロアリの被害を受け朽ち
ていたので、10年前のリフォームの際に
新しく造り変えました。
現在の式台の框(かまち)は、地松の梁材
(りょうざい)
を転用しています。


20090812genkan2



時計を掛けている柱が大黒柱です。
杉の8寸角(240㎜)で大黒柱(だいこく
ばしら)
としては標準的な大きさになります。




太宰家の柱は、そのほとんどが杉材が使わ
れています。「なぜ桧を使わなかったのか」
の答えはまだ思案中です。




大黒柱に掛っている古い時計は、義母が
嫁いできた頃にはすでに掛っていたという
から、すでに50年以上昔のものです。
毎日ねじを巻くと、ちゃんと動いて、
ボンボーンと時報を鳴らしてくれています。


 
20090812genkan3



板の間の材は松材が使われています。
200年以上経っても艶があります。
1800年代の昔から、どれだけの人が
この板を踏んでいるのでしょうか。




暗い玄関の中で、光線の当たり具合に
よって、この板が鏡の様に光ることが
あります。
まさしく鏡板です。



鏡のように輝くまで、
想像するより、
ずっと多くの人々がこの板の上を通って、
座敷にあがっていたのでしょう・・・
玄関や土間で、昔どんなことが行われて
きたのでしょうか。




村の祭りごとや屋根の葺き替えの際には、
大勢の人々が集まってきたということです。




多い時には、何百人もの人々が、土間奥
の釜で煮炊きした食事を食べて、賑やか
に酒をくみかわしてきたのでしょうか。




今は静かな玄関ですが、目をつぶると、
その時の喧騒が浮かんでくるようです。




家を大切に200年以上住み継いできた
太宰家の人々の思いが、来客を迎えて
いるように感じました。




今日も最後まで読んで頂きありがとう
ございました。

 



【建築ワード説明】


式台(しきだい)
玄関の土間と床の段差が大きい場合に設置
される板のこと。


框(かまち)
玄関など家の上がり口の縁に渡した横木の
こと。
 

梁材(りょうざい)
建物の水平短径方向に架けられ、床や屋根
などの荷重を柱に伝える材のこと。


大黒柱(だいこくばしら)
家の中央にある特別に太い柱 
 
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プロフィール

與那原浩

與那原浩建築設計室
〒798-1136
愛媛県宇和島市三間町大内20
TEL/FAX:0895-20-7250
携帯:090-7575-1358
email:h_yonahara@ybb.ne.jp
一級建築士
専攻建築士
インテリアコーディネーター
木造住宅耐震診断士
地震被災建築物応急危険度判定士
設計・リフォーム・古民家再生のご相談はお気軽に!
築200年以上の古民家長屋門(ながやもん)で、建築設計事務所を営んでいる一級建築士 古民家建築の専門家 與那原浩です。沖縄県宮古島出身。東京から2000年に妻の郷里である愛媛県宇和島市三間町にIターン。築200年超の古民家で家族と暮らしながら、長屋門に一級建築士事務所を開設。古民家に学ぶ家づくりをコンセプトに住宅の設計監理業務を行っています。愛媛県内子町の町並み修景に多数実績があります。
  

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